...二十年來物堅いので近所の信用を得てゐた主人が近頃病死して...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...物堅い僕の性質が『あの人なら』という風に彼等の深い信用をかっていたのだもの...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...お供はしないことになっております」この物堅いハッキリした下男の答は...
大阪圭吉 「死の快走船」
...本屋はその飜訳をかねて昵懇(なじみ)のある物堅い牧師さんに頼んだ...
薄田泣菫 「茶話」
...と物堅い調子で書いてあつた...
太宰治 「思ひ出」
...これも嘘なぞは絶対に言えそうもない物堅い一徹らしいやはり野良着の田舎おやじであった...
橘外男 「逗子物語」
...舅さんは非常に物堅い方ですから...
田中貢太郎 「荷花公主」
...あの物堅い父に私は何といわれるでしょう」お島は迹(あと)から附絡(つきまと)って来る川西の兇暴な力に反抗しつつ...
徳田秋声 「あらくれ」
...部屋は物堅い感じの野暮くさいもので...
徳田秋声 「仮装人物」
...あんな物堅い芸者もあるのかと...
徳田秋声 「縮図」
...物堅いあなたのことですから...
中里介山 「大菩薩峠」
...時には途方もない物堅い人間が生存していたに違いない...
野村胡堂 「銭形平次打明け話」
...物堅い公爵が許さず...
長谷川時雨 「明治美人伝」
...物堅い儒家に生れた彼は...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...それ程物堅い親子が揃(そろ)って来るとなると...
森鴎外 「雁」
...滋野は笑つて「もとは帽子に附ける造花を内職にして居た物堅い家(うち)のお嬢さんだが...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...魯粛如きに、上座をお譲り遊ばすとは」「なぜ、ご遠慮あるか」「以前はともあれ、今はわが主君の婿君たるあなた様をおいて、臣下の私が上に坐るいわれはありません」「いや、旧交を思うてのこと、左様に謙譲にせずともよい」「でも、礼儀だけは」と、物堅い魯粛は、あくまで辞退して、横に席を取った...
吉川英治 「三国志」
...あの物堅い老人ゆえ...
吉川英治 「無宿人国記」
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