...僕を本物の気違いにしようとしている...
太宰治 「新ハムレット」
...もそりもそりと物の気配がしていた...
田中貢太郎 「雨夜草紙」
...傍視(わきめ)も揮(ふ)らずに一心になって草の路を追っている菊江の耳に物の気配がした...
田中貢太郎 「女の怪異」
...何か物の気配がするので眼を開けて枕頭(まくらもと)を見た...
田中貢太郎 「女の姿」
...物の気配を感じたように馬の耳が動いた...
田中貢太郎 「警察署長」
...眼の前に物の気配がして白い衣服(きもの)が見えた...
田中貢太郎 「雀が森の怪異」
...内から青白い灯が射して物の気配がしてゐた...
田中貢太郎 「雑木林の中」
...また物の気配がして榻にあがってくる物の衣摺(きぬずれ)のおとがした...
田中貢太郎 「蘇生」
...物の気配がして今度は萩の繁みの中から黒いまん円い影が見えて来た...
田中貢太郎 「庭の怪」
...その時何か物の気配がしたのでふと見た...
田中貢太郎 「這って来る紐」
...霧のために生き物の気は搦(から)められてしまっていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それとは別の方面で意外な物の気(け)のするのを感じました...
中里介山 「大菩薩峠」
...物の気配に見れば...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...その頃からただならぬ物の気はいに驚いて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...後ろの物の気配に誘われたものか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...臆病か蛇か鎖か知らねどもまつはる故に涙こぼるる本来の晶子調から離れてゐて少し借物の気味があるが...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...何やら物の気配のうごく気がしたからであった...
吉川英治 「三国志」
...秀吉には拾い物の気がされた...
吉川英治 「新書太閤記」
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