...物の怪(け)のように燃え立った...
有島武郎 「星座」
...アトランティス生物の怪を知らずして...
海野十三 「海底大陸」
...物の怪のように歩き廻るものがある...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...物の怪であろうか...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...通路の所々に開いている、非常口の扉の奥を覗いて見ると、薄暗い、舞台裏の長廊下を、係員などが、物の怪の様に、さまよっているのが、不気味に眺められる...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...あの見せ物の怪魚をね(見せ物の看板では...
太宰治 「黄村先生言行録」
...急に登子は恐ろしい物の怪にでも襲はれたやうに裳の袖を頭から引被いて了つた...
田山花袋 「道綱の母」
...この物の怪のすだく風雨の闇の夜を...
田山花袋 「道綱の母」
...忌みの中にあまり出歩いたりしたので物の怪でもついたのではあるまいかといふ氣がして...
田山花袋 「道綱の母」
...物の怪の崇りのこと...
豊島与志雄 「憑きもの」
...尤も夏物の怪しい羽織は大方乾いて...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...お化(ばけ)か、物の怪(け)か、惡靈(あくりやう)のやうなものかと、暫らく膽(きも)をつぶして立留りましたが、それが何處ともなく姿を隱したので、お孃さんは家の中へ、私は横川町へ戻りました」「どんなものだ」「人をおどかすやうな、踊(をどり)を踊るやうな、背が高くなつたり低くなつたり――」時松の話はこれで全部でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...心なしか物の怪でも立ち迷いそうな物凄い有様...
久生十蘭 「魔都」
...何かにつけ「物の怪」の振舞を信じていたゲンジの時代の人々はそう思ったであろうが...
正宗白鳥 「軽井沢にて」
...千浪殿――」と物の怪(け)につかれたかのように...
吉川英治 「剣難女難」
...そして物の怪(け)に憑(つ)かれた眼を怒らして...
吉川英治 「三国志」
...何か物の怪(け)の影に目先を掠(かす)められたように...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...そういう物象(ぶっしょう)が物の怪(け)のように消えてしいんと大広間に...
吉川英治 「梅※[#「風にょう+思」、第4水準2-92-36]の杖」
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