...……」僕「どうしてまた片輪などがきめるのです?」老人「片輪は野菜畑へ出られないでしょう...
芥川龍之介 「不思議な島」
...歯や舌のない片輪ですね...
芥川龍之介 「不思議な島」
...その飛ぶ露の光るやうな片輪にもう一つ宙にふうわりと仄あかりの輪を大きく提灯の形に卷いて...
泉鏡花 「遺稿」
...きっと「馬鹿」という片輪だったのでしょう...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...それでも、目の見えぬ片輪者や、唖の片輪者が、父や母と一しょに住んでいることが、本に書いてあります...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...開かずの部屋に監禁された片輪者...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...また沢山の片輪者を幸福にする道も立つ...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...片輪者ばかりで埋めることを考えているんだ...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...あの片輪者の汚らしい夫婦に...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...生れもつかぬ双生児の片輪にされちまってね」「オオ...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...土蔵の片輪者達を解放し丈五郎を捕える為に地底に下ろうと...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...皮膚が荒れてくる旅をつゞけてゐるすこしばかり買物もして旅の夫婦は石刻む音のしたしくて石刻む朝寒に旅焼けの顔をならべて・片輪同志で仲よい夫婦の旅・ざくりざくり稲刈るのみの・秋晴れの砂をふむよりくづれて鶏(トリ)を叱る声もうそ寒う着いたいそがしう飯たべて子を負うてまた野良へ・木葉落ちる声のひととき・貧乏の子沢山の朝から泣いてゐる・それでよろしい落葉を掃く十月十五日晴...
種田山頭火 「行乞記」
...「今晩は?」「あつしは早寢で、戌刻(いつゝ)半には床の中へ潜(もぐ)り込んだ位ですから、うと/\して居て、よくは知りませんが、お祭の笛だか、口笛だか、聞いたやうな氣がしますよ」「――」「目が覺めたから、序に手水(てうず)に起きて、雨戸をあけると、若い男の後ろ姿が、離室の前を驅けて行つたやうでしたが――」「若い男――?」「へエ、若い男でなきや、あんなに早く、跫音(あしおと)も立てずに飛べるわけはありません」「それは、確かに合圖の後だね」「へエ――」「合圖をして娘を呼出すのは、大根畑の專次一人だけだらうな」「いくら大家の我儘娘(わがまゝむすめ)でも、まだ十七そこ/\ですもの、二人も三人も男があるわけはありません」七平の舌には、何となく毒を含みますが、片輪なるが故に、人にも世にも捨てられてゐるせゐでせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お關は自分を踏みにじつた上、父親を片輪にし、雪五郎をひどい目に逢はせた鬼の勘兵衞と、二度までも三度までも一緒に死ぬ氣になつて居たんだぜ」斯んな事を言ふ平次でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...片輪の鷹の羽夜ふかしの疲れで...
吉川英治 「江戸三国志」
...片輪車(かたわぐるま)ではなりますまい」「ほう...
吉川英治 「三国志」
...こいつア片輪だ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...半瓦の家には一人の片輪と...
吉川英治 「宮本武蔵」
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