...その片袖を――同棲三年間――まだ純真なる処女の身にして...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...その片袖を動かしたけれども...
泉鏡花 「婦系図」
...「はあッ」と絶え入るように更に強い太息を吐いて片袖に顔を隠して机の上に俯伏して了った...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...即座に片袖で自分の鼻を押え...
豊島与志雄 「失策記」
...牧の片袖を切裂いて...
直木三十五 「南国太平記」
...片袖濡れようはずがない...
中里介山 「大菩薩峠」
...思の籠(こも)るこの片袖を天が下の勇士に贈らんために参りたり...
夏目漱石 「薤露行」
...片袖は見事に千切られて居るではありませんか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...片袖は見事に千切られているではありませんか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その上右の片袖が千切れてゐれば...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...片袖で顔を蔽って象のそばから走り出そうとすると...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...その最期に血書したる片袖を画中より脱け出でたる白鷹齎(もたら)し来てその子石川五右衛門に渡す...
三木竹二 「両座の「山門」評」
...外套片袖ひっかけて浮浪児みたいな風体で坐ってる...
宮本百合子 「新しきシベリアを横切る」
...平さんは外套の片袖をぬぎかけたまま振返った...
山本周五郎 「季節のない街」
...よろいの草摺(くさずり)は片袖もがれ...
吉川英治 「上杉謙信」
...片袖(かたそで)をはねて手拭(てぬぐい)で拭(ふ)きふき...
吉川英治 「神州天馬侠」
...赤い縮緬(ちりめん)の片袖など...
吉川英治 「日本名婦伝」
...その片袖をつかまれて...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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