...その単衣の片肌を脱いで...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...片肌を袖に入れようとする...
外村繁 「日を愛しむ」
...女中のいさが片肌脱ぎになっている...
外村繁 「澪標」
...片肌を脱いだ男が一人...
中里介山 「大菩薩峠」
...パッと片肌をぬいでしまい...
中里介山 「大菩薩峠」
...おつたは幾年(いくねん)か以前(まへ)の仕立(したて)と見(み)える滅多(めつた)にない大形(おほがた)の鳴海絞(なるみしぼ)りの浴衣(ゆかた)を片肌脱(かたはだぬぎ)にして左(ひだり)の袖口(そでぐち)がだらりと膝(ひざ)の下(した)まで垂(た)れて居(ゐ)る...
長塚節 「土」
...爺さん/\と安くして貰ひ度くねえよ、安岡つ引のくせにしあがつて、神田の源太郎を知らないか」源太郎は何時の間にか、片肌を脱いで、鐵火箸(かなひばし)のやうな脛をピタリピタリと叩いて居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「何を言やがる、父(とっ)さん父さんと安くして貰いたくねえよ、安岡っ引のくせにしあがって、神田の源太郎を知らないか」源太郎はいつの間にか、片肌を脱いで、鉄火箸のような脛(すね)をピタリピタリと叩いております...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...片肌ぬぎに團扇づかひしながら大盃に泡盛をなみなみと注がせて...
樋口一葉 「たけくらべ」
...片肌脱ぎになって長い袖を腹巻のように帯の上に巻きつける...
久生十蘭 「新西遊記」
...智海は入口で三礼して片肌脱ぎになり...
久生十蘭 「新西遊記」
...片肌脱ぎで片手に酒徳利を掴んでゴク/\とラツパ飲みをしながら...
牧野信一 「鎧の挿話」
...「出ろやい! 長崎屋! 人鬼! 生血吸い! 出ろやい!」「手めえに、ひと言いってやらねえことにゃあ、ここをどくおれッちじゃあねえぞ!」すると、一人の指導者格が、煮しめたような手拭を、すっとこ冠り、素肌の片肌脱ぎ、棒千切(ちぎ)れを、采配のように振り立てて、「やい! みんな! うしろへまわれ! 石をほうっていても仕方がねえ! うしろの米庫(こめぐら)をたたきこわせ! 米庫は板がこいに、屋根がしてあるだけだ――たたきこわして、ふんだんに頂戴(ちょうだい)しろ! 長崎屋さんは、今まで儲(もう)けたお礼に、おめえたちに、いくらでも、拾っていけっておっしゃってるぜ!」「わあい! 米庫だ! 米庫だ! 米を貰え! 米を貰え!」叫び、わめきつつ、指導者の棒千切れのゆび示すままに、群集は、建ちつづいた、蔵の方へ走ってゆく...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...(片肌をぬぐ...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...ぬいでいた片肌へ袖をとおしながら...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...片肌を脱いで二の腕を曲げて見せると...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...正面に雲竜(うんりゅう)の刺青(ほりもの)の片肌を脱いで...
夢野久作 「名娼満月」
...ウンと片肌(かたはだ)をぬいでくれないか」「ほんとにかい」気味の悪いほど真味(しんみ)な顔色で...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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