...近来不良勝なる先生の病情片時も心にかからぬ事はない...
伊藤左千夫 「根岸庵訪問の記」
...一度は東亜の舞台に躍り出して一と芝居打とうとする念は片時も絶えなかった...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...子供の写真は片時も離したことがないと言って...
大杉栄 「獄中記」
...最(も)う最(も)うこんな家(うち)には片時も居られないと...
関根黙庵 「枯尾花」
...蝉はこの場をつうじて片時も止まずに啼きつづける...
林不忘 「安重根」
...ただ両方が憎々しいくらいな激しい眼つき片時も外(そ)らさんと相手の顔いそそいでました...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...片時もその苦しさをやすめることが出來ないやうな生活と比べたなら? あのやうな無理な壓制が行はるゝやうな生活と比べたなら? またその身が不斷にやつてゐるやうな愼恚と嫉妬の生活と比べたなら? 大勢の妃を竝べて...
田山花袋 「道綱の母」
...満州帝国が建国されたのは関東軍司令部のおかげだということを吾々は片時も忘れてはならない...
戸坂潤 「社会時評」
...片時も鎮まることのない神経痛の痛みとが...
外村繁 「夢幻泡影」
......
中野鈴子 「ふしあわせ者のうた」
...然し音楽は片時も念頭を離れなかつた...
中原中也 「デボルド―※[#濁点付き片仮名ワ、1-7-82]ルモオル」
...足袋跣足で、足ぶみをしきりにして、片時も、じっとしていない...
火野葦平 「花と龍」
...片時も手許をはなさなかった品である...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...そのさけびを片時もたやさないのである...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...六年片時も忘れることができなくて悲しい悲しいと思っていた人のことも...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...この人間の魂は愛なしには片時も生きられぬ...
室生犀星 「愛の詩集」
...片時も手を休めて居たことがない...
森田草平 「「青白き夢」序」
...朕が逆境に浮沈していた頃から卿のつくしてくれた大功は片時も忘れてはいない...
吉川英治 「三国志」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??