...老女も事の次第を片時も早く若殿に告げ...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...御自身の為は勿論一般のためにも片時も早く御出京御尽力無之ては国民の具眼者義人に対して何とも申訳け之なく……又弁護士諸君に対しても余り放てき主義にて尽力の甲斐も張り合いも減じ...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...いかなる難航中といえども片時も放したことのないハーモニカを取り出して...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...これは片時も捨て置けない...
谷崎潤一郎 「細雪」
...しかし都の人達の内部のわづらはしさ! 悲しさ! つらさ! ほこりの多さ! あのやうに美しく派手につくつて居りながら片時も休む時のない心のみだれ! それを思ふと...
田山花袋 「道綱の母」
...片時もその苦しさをやすめることが出來ないやうな生活と比べたなら? あのやうな無理な壓制が行はるゝやうな生活と比べたなら? またその身が不斷にやつてゐるやうな愼恚と嫉妬の生活と比べたなら? 大勢の妃を竝べて...
田山花袋 「道綱の母」
...けれど彼女は片時もクリストフを恨まなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...片時も忘れたことはありませんでした...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...この槍と具足櫃とは侍たる者の片時も身を離してはならぬ物であった...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...これは片時も早く家路に帰った方が無事だとの考えを起しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...一時片時も心安き事なし――『日本国ハ皆日蓮ガ敵トナルベシ――恐レテ是ヲ云ハズンバ...
中里介山 「大菩薩峠」
...片時も忘れやしないンだが...
林芙美子 「浮雲」
...片時も忘れざりし根を断ち...
久生十蘭 「玉取物語」
...片時も父君のあとには生き残る命と思わなかったものが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...この人間の魂は愛なしには片時も生きられぬ...
室生犀星 「愛の詩集」
...苟(いやしく)も東京の学生たらんもの片時も忘るる能わざる研究問題であるのみならず...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...一人でいることに片時も耐えられなくなっていたのです...
J. S. レ・ファニュ J.S.Le Fanu The Creative CAT 訳 「ドラムガニョールの白い猫」
...片時も油断はならない...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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