...片時も離れなかつた友と別れて...
石川啄木 「天鵞絨」
...今は片時もためらふべき...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...いろいろの本を読んで聞かせて、片時も、私を手放さなかった...
太宰治 「新樹の言葉」
...片時もそばをはなさぬくらい目をかけていましたから...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...たがいに片時もお離れなさらず...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...そのうち伺はうと思つてゐたんですが」練吉の切れの長い目は片時もぱちぱちをやめなかつた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...其間にも片時もそれを忘れることは出来なかつた...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...この人生や宇宙が片時も活動をやめてゐないと同じやうに絶えず活躍をつづけて行かなければならないはずである...
田山録弥 「三月の創作」
...片時もさうした心の添はずにゐないことのない身ならば――それならば...
田山花袋 「道綱の母」
...片時も休まらぬ病的な恐怖だ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...素子は片時も彼奴の恐怖を忘れることはできないのである...
外村繁 「日を愛しむ」
...そのさけびを片時もたやさないのである...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...それは小さい時から片時もお離れしませんでお世話になりました御主人ににわかにお別れいたしまして...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...六年片時も忘れることができなくて悲しい悲しいと思っていた人のことも...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...今もって稲を作らずには片時も安心しておられぬというわけは...
柳田国男 「雪国の春」
...片時もはなれたことがないといってもいいでしょう...
山本周五郎 「失蝶記」
...片時も心のたゆむ間とてなかった故(せい)であろうか...
吉川英治 「日本名婦伝」
...片時も油断はならない...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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