...天下の英才を集めて『国民之友』を賑(にぎ)わすのを片時も怠らなかった蘇峰はこの間に二葉亭のツルゲーネフの飜訳を紙面に紹介して読書界の耳目を聳動(しょうどう)した...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...たがいに片時もお離れなさらず...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...冬の間は毎夜北の方を片時も離さず...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...上からも片時も止む時なく雨が降りしきつてゐるので...
田山花袋 「道綱の母」
...片時も休まらぬ病的な恐怖だ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...おまえはそれを知っておるのか? おそらく知っていられるであろうな』と彼は片時も囚人(めしうど)から眼を離そうとしないで...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...片時もそばを離れないくらい...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...素子は片時も彼奴の恐怖を忘れることはできないのである...
外村繁 「日を愛しむ」
...これは片時も猶予(ゆうよ)なり難し」「新徴組なりゃ島田を覘うはずがない...
中里介山 「大菩薩峠」
...「これは深刻なんだぞオ」といふ言葉を片時も離さないで...
中原中也 「散歩生活」
...片時も忘れざりし根を断ち...
久生十蘭 「玉取物語」
...屋敷へ帰っても片時も忘れず...
南方熊楠 「十二支考」
...それは小さい時から片時もお離れしませんでお世話になりました御主人ににわかにお別れいたしまして...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...今もって稲を作らずには片時も安心しておられぬというわけは...
柳田国男 「雪国の春」
...苟(いやしく)も東京の学生たらんもの片時も忘るる能わざる研究問題であるのみならず...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...朕が逆境に浮沈していた頃から卿のつくしてくれた大功は片時も忘れてはいない...
吉川英治 「三国志」
...片時も離してはならないものから離れている自分に気がついた...
吉川英治 「親鸞」
...片時も心のたゆむ間とてなかった故(せい)であろうか...
吉川英治 「日本名婦伝」
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