...またマルドゥクとティアマートの争闘の物語の片影はヤフヴェ(Jahve)が海の怪物レヴィアターン(Leviathan)すなわち...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...故人を偲(しの)ぶ旧観の片影をだも認められない...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...これ畢竟(ひっきょう)神の片影なる穂高ちょう...
鵜殿正雄 「穂高岳槍ヶ岳縦走記」
...鴎外の文章の片影がある...
太宰治 「花吹雪」
...あのひとの片影なりとも...
田中英光 「オリンポスの果実」
...私は私の片影を観た!しばらく滞在してゐた鼠も愛想を尽かして去つたらしい...
種田山頭火 「其中日記」
...寒い片影をおびてくる...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...もう疑の片影も留めません...
野村胡堂 「身代りの花嫁」
...その女(ひと)たちの生涯の片影(へんえい)を記(しる)しとどめ...
長谷川時雨 「明治美人伝」
...若しや玄吉といふのが私の片影ではないかといふ気がしたのでAに訊ねたら...
牧野信一 「蔭ひなた」
...全く証拠の片影だにもない単なる主張と考えられなければならない...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...あなたの片影をも殘さず私の心から...
水野仙子 「道」
...どんなことにも源氏の片影が加わればそのものが光づけられるのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...彼は突っ立ち上ると大理石の鏡面を片影のように辷(すべ)って行くハプスブルグの娘の後姿を睨んでいた...
横光利一 「ナポレオンと田虫」
...王の安全に奮闘して斃れるミラボオの苦策など――人の脳中にほんの些細な疑いの片影がかすめ去る度びに...
横光利一 「旅愁」
...こうした炎の片影(へんえい)でなく...
吉川英治 「黒田如水」
...前途に明るい望みの片影をすら抱くことのかなわぬ人間の一団が...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
...これ吾人の心胸にひそむ「全き人格」の片影がその本体と共鳴するのである...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
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