...男も女もこの奇異な裸形(らけい)に奇異な場所で出遇って笑いくずれぬものはなかった...
有島武郎 「クララの出家」
...そこにフランシスがこれも裸形のままで這入(はい)って来てレオに代って講壇に登った...
有島武郎 「クララの出家」
...芒果(マング)の肉の色をした汝の道を裸形にて通ふ眼(まなこ)優しい汝が民よ...
ポオル・クロオデル Paul Claudel 上田敏訳 「椰子の樹」
...昭和二四・一〇裸形智恵子の裸形をわたくしは恋ふ...
高村光太郎 「智恵子抄」
...深夜、裸形で鏡に向い、にっと可愛く微笑してみたり、ふっくらした白い両足を、ヘチマコロンで洗って、その指先にそっと自身で接吻して、うっとり眼をつぶってみたり、いちど、鼻の先に、針で突いたような小さい吹出物して、憂鬱のあまり、自殺を計ったことがある...
太宰治 「愛と美について」
...そして己れの裸形を見て...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...夜の闇のために彼女自身にさへ見えぬ蠱惑的な裸形をば...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...彼は見るも浅ましい裸形のなりで...
牧野信一 「鬼涙村」
...後は見るも浅猿しい裸形のなりで...
牧野信一 「鬼涙村」
...恰も裸形の、あの美しい百合子の五体が、爪先から順々と降つて僕の顔を撫でゝ行くやうなものだから、――そして彼女は、庭に降り立つと、母屋の方へ向つて会心のウヰンクを投げたかと思ふと(ペロリと赤い舌を出すこともあつた...
牧野信一 「女優」
...ばら色の裸形などで...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神の剣」
...ブロンズの裸形や...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神の剣」
...裸形跣足(せんそく)...
南方熊楠 「十二支考」
...その車を二匹の鹿に・ある時は四頭の犬に・それからまたあるときは四人の裸形の乙女に・ひかせ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...裸形にしてただ腰のまわりに...
柳田国男 「山の人生」
...或いは裸形のことを意味するのではなかったか...
柳田国男 「山の人生」
...しかし制作してゐるうちに私の考へもだんだん変つて結局一人の裸形の男が...
吉井勇 「酔狂録」
...無造作に裸形の上にはおって...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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