...処々に馬を脱(はづ)した荷馬車が片寄せてある...
石川啄木 「鳥影」
...そして、さツきちよツと這入つて出た西洋間の、食卓を片寄せて、電燈の眞下に床を延べてある室へ這入つた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...「これもこちらへ隠しまして」と美少年は草籠(くさかご)を片寄せると見せて...
江見水蔭 「怪異黒姫おろし」
...それぞれ整然と片寄せられて...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...嫁はそこへこてこて取り出した着替えをそっくり片寄せておいて...
徳田秋声 「足迹」
...煽風器(せんぷうき)はもう片寄せられて...
徳田秋声 「仮装人物」
...脱ぎすてたまま室の隅に片寄せておいた袴を...
豊島与志雄 「変な男」
...閉め切った表戸に腰掛が一つ片寄せてあった...
豊島与志雄 「道連」
...幕開(まくあき)の唄(うた)と三味線が聞え引かれた幕が次第に細(こま)かく早める拍子木の律(りつ)につれて片寄せられて行く...
永井荷風 「すみだ川」
...コヂ開けた二枚や戸は片寄せてありますが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何か用かと氷袋を片寄せて傍近く寄るに...
樋口一葉 「うつせみ」
...何か用かと氷袋を片寄せて傍近く寄るに...
樋口一葉 「うつせみ」
...カアテンを片寄せる強い組紐で首を吊って...
牧逸馬 「ロウモン街の自殺ホテル」
...微笑しながら片寄せてしまわなければならない――これは不届きなことです...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...「話とは?」万太郎は正座の敷物を少し片寄せて...
吉川英治 「江戸三国志」
...部屋のすみへ片寄せてしまった...
吉川英治 「新書太閤記」
...奥に片寄せて寝台が見える...
吉川英治 「新・水滸伝」
...田中は帳簿を片寄せて...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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