...處々に馬を脱(はづ)した荷馬車が片寄せてある...
石川啄木 「鳥影」
...片寄せた煙草盆などを醫師の前に直したりする...
石川啄木 「鳥影」
...材木や煉瓦やセメント樽を片寄せて炭火を焚いてる周囲に店員が集って...
内田魯庵 「灰燼十万巻」
...じつとり濡れたまゝで竿にかゝつてゐるのを片寄せて...
鈴木三重吉 「桑の実」
...きまりよく片寄せておく...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...」男は先へ入つて扉をおさへて身を片寄せてゐた...
田中貢太郎 「蛾」
...二人はその光に映しだされないようにと暗い処へ身を片寄せていた...
田中貢太郎 「断橋奇聞」
...植木が片寄せられたままになっている庸三の狭い庭にも...
徳田秋声 「仮装人物」
...片寄せてあった置炬燵(おきごたつ)を引出し火鉢の炭火を直しはじめると...
永井荷風 「ひかげの花」
...土間の隅(すみ)に片寄せてある臼(うす)の上に...
夏目漱石 「草枕」
...片寄せた障子(しょうじ)に影がさす...
夏目漱石 「虞美人草」
...その小屋の隅の方に片寄せました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何か用かと氷袋を片寄せて傍近く寄るに...
樋口一葉 「うつせみ」
...何時(いつ)もならグッと突出す膳もソッと片寄せるほどの心遣い...
二葉亭四迷 「浮雲」
...カアテンを片寄せる強い組紐で首を吊って...
牧逸馬 「ロウモン街の自殺ホテル」
...この手品師が片寄せて画いてあるために見物人は一人も画いて居ない...
正岡子規 「病牀六尺」
...夕暮の池に 鴨が點々風が彼らを片寄せる 林の方へ 岡の方へ風がやむ 彼らは呼んでゐる 應へてゐる風の聲よりひそやかに...
三好達治 「鴨 二」
...あたりの器具を片寄せて四角に切ってある炉畳(ろだたみ)をブスッと持ちあげた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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