...器の一方に片寄せて花鳥をえがき...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...」男は先へ入つて扉をおさへて身を片寄せてゐた...
田中貢太郎 「蛾」
...権兵衛は体を片寄せて往こうとした...
田中貢太郎 「海神に祈る」
...帰りました」老嫗は昇降口の扉を開けて青年が降りられるように体を片寄せた...
田中貢太郎 「賈后と小吏」
...絨毯(じゅうたん)を一方へグルグル巻きにして片寄せ...
谷崎潤一郎 「細雪」
...それ/″\整然と片寄せられて...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...嫁はそこへこてこて取り出した着替えをそっくり片寄せておいて...
徳田秋声 「足迹」
...卓子を少し片寄せて...
豊島与志雄 「男ぎらい」
...閉め切った表戸に腰掛が一つ片寄せてあった...
豊島与志雄 「道連」
...幕開(まくあき)の唄(うた)と三味線が聞え引かれた幕が次第に細(こま)かく早める拍子木の律(りつ)につれて片寄せられて行く...
永井荷風 「すみだ川」
...屏風の端(はし)をそっと片寄せた敵娼(あいかた)の華魁(おいらん)...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...」けれどもお照は後向になってコートと肩掛とを取乱された六畳の間の出入口に近い襖(ふすま)の方(ほう)に片寄せながら...
永井荷風 「雪解」
...書棚は壁に片寄せて...
夏目漱石 「虞美人草」
...片寄せた障子(しょうじ)に影がさす...
夏目漱石 「虞美人草」
...室の隅に片寄せてある三本脚の丸いテーブルの上に置いた...
夏目漱石 「幻影の盾」
...傍(そば)には日本の雑誌も五六冊片寄せてあった...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...部屋の隅に片寄せてあるのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...真白いエナメル塗りの台所の一隅に片寄せられてある...
堀辰雄 「雉子日記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??