...片側に並んだ竈(かまど)は幾つも炎を動かしていた...
芥川竜之介 「歯車」
...旗の片側にある環がそれをちゃんと抑え...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...男はそれから溝の所に置いてあつた棺を抱くやうにして片側によせて...
高浜虚子 「落葉降る下にて」
...墓地を片側にして角の銀杏の木まで一と筋の銀紙をはりふさげたやうな白々とした小路には人の影もなかつた...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...墓塲を片側にした裏町には赤い提燈の灯がところ/″\に...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...道の片側には小家のつゞいた屋根のうしろに吉原の病院が見え...
永井荷風 「里の今昔」
...やがて小流れに石の橋がかかっていて、片側に交番、片側に平野という料理屋があった...
永井荷風 「里の今昔」
...往来の片側に長くつづいた土塀(どべい)からこんもりと枝を伸(のば)した繁(しげ)りの蔭(かげ)がいかにも涼しそうに思われた...
永井荷風 「すみだ川」
...小径の片側には園内の地を借りて二階建の俗悪な料理屋がある...
永井荷風 「百花園」
...この道の片側に並んだ商店の後(うしろ)一帯の路地は所謂(いわゆる)第一部と名付けられたラビラントで...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...その掘り上げた雪を溝の片側に積み上げることにした...
中谷宇吉郎 「雪を消す話」
...片町に更紗(さらさ)染めるや春の風町の片側に紺屋(こうや)があって...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...階上階下の片側に打ち続く小奇麗な茶房...
正岡容 「艶色落語講談鑑賞」
...(六月十日)病室の片側には綱を掛けて陸中(りくちゅう)小坂(おさか)の木同より送り来し雪沓(ゆきぐつ)十種ばかりそのほかかんじき蓑(みの)帽子など掛け並べ...
正岡子規 「墨汁一滴」
...めたん子はしぜん町の片側に寄り切られ...
室生犀星 「めたん子傳」
...片側に大きな胡桃(くるみ)の木が三本あり...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...片側に二列ずつ並んだ街路樹の青葉の間を縫って歩いてゆく...
横光利一 「旅愁」
...そして片側に断崖をのぞむ曲り角へかかると...
吉川英治 「新書太閤記」
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