...その三つの部屋のまん中の部屋の片側にある本棚に...
宇野浩二 「思ひ出すままに」
...その大きな部屋の片側には長いテエブルが三列にならび...
宇野浩二 「思ひ出すままに」
...片側に高燈籠(たかどうろう)と磯馴松(そなれのまつ)と浜辺の波が描いてある...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...家々にはさまれた小道はその片側に狭い排水溝(はいすいこう)があり...
壺井栄 「赤いステッキ」
...その片側にいびつな長方形のかいてあるのがすなわち子規庵の所在を示すらしい...
寺田寅彦 「子規自筆の根岸地図」
...そうしてただ現象の片側に過ぎない流体だけの運動をいくら論じてみても完全な解釈がつきそうにも思われない...
寺田寅彦 「自然界の縞模様」
...されども之を外づし得てプーリダマスは片側に跳びて死命を免れつ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...蕾(つぼみ)の固い桜の片側に植わった人道に...
徳田秋声 「黴」
...道の片側には小家のつづいた屋根のうしろに吉原の病院が見え...
永井荷風 「里の今昔」
...やがて小流れに石の橋がかかっていて、片側に交番、片側に平野という料理屋があった...
永井荷風 「里の今昔」
...小径の片側には園内の地を借りて二階建の俗悪な料理屋がある...
永井荷風 「百花園」
...片町に更紗(さらさ)染めるや春の風町の片側に紺屋(こうや)があって...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...不躾(ぶしつけ)に片側に押しのけられて――それが私には本當に望ましかつたのである――彼は私の場所を奪ふと...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...片側に一戸建てが並んでおり...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...十数畳の大広間片側に金屏風を繞(めぐ)らし...
正岡子規 「俳諧大要」
...石ころ道の片側にはぎっしり曖昧な食物店などが引歪んだ屋体を並べている...
宮本百合子 「九月の或る日」
...道を片側によける一人の女が目に入った...
山川方夫 「その一年」
...片側には雪が残っているが...
山本周五郎 「風流太平記」
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