...船が片一方に倒れたと思うと...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「歌う白骨」
...私が帰って来たことも! ただ白眼勝ちな片一方の眼が...
橘外男 「仁王門」
...片一方大腿部から突き出しているのを見たからであった...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...そして片一方の腕をだらりと卓子(テーブル)に垂れ...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「麻酔剤」
...ずぽッと脚を抜いた途端に片一方の靴が脱げた...
谷崎潤一郎 「細雪」
...貞之助はさっきもそう云う泥沼に篏(は)まり込んで片一方の靴(くつ)を取られてしまっていたので...
谷崎潤一郎 「細雪」
...苔(こけ)のために頭が黒くなり臀(しり)が片一方なくなってるある像の前に長くたたずんで...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...またこっちの奴にしたところで、片一方斬られて、それなりで往生する奴でもございません...
中里介山 「大菩薩峠」
...片袖ではない――下駄が片一方...
中里介山 「大菩薩峠」
...わたしの下駄を片一方持って行ってしまって……」これは笑いごとではない...
中里介山 「大菩薩峠」
...片一方だけと言ったではありませんか――片一方というのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...今日も出歩きの道中を少々物語ってから、お宮さんのお酌(しゃく)で一ぱいを傾けながら、不破の関守氏が、「お宮さん、ここの風呂場の若衆(わかいしゅ)は、ちょっと乙な男だね」「三蔵はんどすか」「三蔵というのかね、名前はまだ知らないが、なかなか如才なくて、第一腕が器用だ」「三蔵はん、このごろおいでやはったが、取廻しがよろしいので、なかなか評判ようおます、腕が器用とおっしゃいますが、あんた、あの片一方でな、米搗(こめつ)きから、風呂焚き、流し、剃刀使いまで細(こま)やかになさりますから、みんな感心しておりますのや」「ははあ、器用な男もあったもんだ、ありゃあれで、なかなか苦労人だよ」「はい、それに、なかなか気前がようおまして……」「だから、女に相当騒がれるだろう、あぶないものだぜ、お宮さん」冗談半分に、女中を相手に関守氏が聞き得たところによると、右の手なしの番公は、最近ここへ雇われて来た男ではあるが、早くも女中たちの人気を取っているらしい...
中里介山 「大菩薩峠」
...片一方の主観的の方と比較するときに大変な好都合になるのであります...
夏目漱石 「創作家の態度」
...片一方の股の上に組むのだった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...片一方の役者の方は...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...」そこで片一方が躍氣となつて...
三島霜川 「解剖室」
...もうすこし情勢をながめておいでになっては如何ですか」曹休は皮肉な皺(しわ)を小鼻の片一方によせて...
吉川英治 「三国志」
...片一方の頬を差し出す...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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