...片一方だけ黄色い翅をひろげた女が...
芥川紗織 「表紙絵について」
...片一方の眼のいやに小さな...
武田麟太郎 「釜ヶ崎」
...親じの口も目も片一方引き吊って...
コナンドイル 三上於莵吉訳 「グロリア・スコット号」
...片一方だけの豊満な隆起は...
外村繁 「落日の光景」
...村はづれの岡(をか)のふもとの、八幡(まん)様のわきの池で、片がはは木がこんもりとしげり、もう片一方は、草の生えた土手です...
豊島与志雄 「ふしぎな池」
...どっちかその片一方が片一方の命を取るんですとさ」「ええ!」米友はなんともつかず眼を円くしました...
中里介山 「大菩薩峠」
...切り落された片一方の手には甲州入墨……」「何を言ってやがるんだ」下の男と女は...
中里介山 「大菩薩峠」
...片一方の命をとるんですとさ」お角がこんなことを言って自暴(やけ)のような気味であったことを米友は...
中里介山 「大菩薩峠」
...きっと悪魔が片一方から妨げに来るそうです...
中里介山 「大菩薩峠」
...片一方しかないがんりきの手がもげてしまうと...
中里介山 「大菩薩峠」
...今日も出歩きの道中を少々物語ってから、お宮さんのお酌(しゃく)で一ぱいを傾けながら、不破の関守氏が、「お宮さん、ここの風呂場の若衆(わかいしゅ)は、ちょっと乙な男だね」「三蔵はんどすか」「三蔵というのかね、名前はまだ知らないが、なかなか如才なくて、第一腕が器用だ」「三蔵はん、このごろおいでやはったが、取廻しがよろしいので、なかなか評判ようおます、腕が器用とおっしゃいますが、あんた、あの片一方でな、米搗(こめつ)きから、風呂焚き、流し、剃刀使いまで細(こま)やかになさりますから、みんな感心しておりますのや」「ははあ、器用な男もあったもんだ、ありゃあれで、なかなか苦労人だよ」「はい、それに、なかなか気前がようおまして……」「だから、女に相当騒がれるだろう、あぶないものだぜ、お宮さん」冗談半分に、女中を相手に関守氏が聞き得たところによると、右の手なしの番公は、最近ここへ雇われて来た男ではあるが、早くも女中たちの人気を取っているらしい...
中里介山 「大菩薩峠」
...すると、金五郎が、照れくさそうな顔で、片一方は、百合にしたがええ、といいだしたのである...
火野葦平 「花と龍」
...「この手袋の片一方はどうしたかおぼえているか?」「途中で落したと見えてありませんでした」「どこで落したかおぼえがあるか?」「ありません」「君は小使を撲殺した時に...
平林初之輔 「犠牲者」
...片一方の股の上に組むのだった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...片一方の役者の方は...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...主人の草履(ぞうり)を片一方落してしまった...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...片一方ではシチュー鍋(なべ)をかきまわしているという始末さ...
山本周五郎 「季節のない街」
...片一方ずつ上へあがる...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
便利!手書き漢字入力検索