...片一方にはいろいろの荷物を積んで...
上村松園 「山の湯の旅」
...いずれにしても女か男か片一方を発見すれば...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鉄の処女」
...若しもその中に片一方が潰れている目が交っていたとしても...
外村繁 「落日の光景」
...片一方手(かたっぽて)で捻(ひね)くり廻している無器用なザマと言ったら...
中里介山 「大菩薩峠」
...まだそれが片一方の方へいくらか残っているのでございます...
中里介山 「大菩薩峠」
...片袖ではない――下駄が片一方...
中里介山 「大菩薩峠」
...女の下駄を片一方だけ持ち扱って歩いて行くことは...
中里介山 「大菩薩峠」
...手前の腕は片一方だが...
中里介山 「大菩薩峠」
...あの片一方の腕を落されたのも...
中里介山 「大菩薩峠」
...きっと悪魔が片一方から妨げに来るそうです...
中里介山 「大菩薩峠」
...「ホントにばかばかしいったらありゃしない、金公の野郎、覚えていやがれ」余憤容易に去らず、これは昨晩、金助が両国橋まで一目散(いちもくさん)に逃げて、さてその下駄を突っかけようとして見ると、片一方だから、やむを得ず、そこへ並べて置捨てにしていったものに相違ない...
中里介山 「大菩薩峠」
...今日も出歩きの道中を少々物語ってから、お宮さんのお酌(しゃく)で一ぱいを傾けながら、不破の関守氏が、「お宮さん、ここの風呂場の若衆(わかいしゅ)は、ちょっと乙な男だね」「三蔵はんどすか」「三蔵というのかね、名前はまだ知らないが、なかなか如才なくて、第一腕が器用だ」「三蔵はん、このごろおいでやはったが、取廻しがよろしいので、なかなか評判ようおます、腕が器用とおっしゃいますが、あんた、あの片一方でな、米搗(こめつ)きから、風呂焚き、流し、剃刀使いまで細(こま)やかになさりますから、みんな感心しておりますのや」「ははあ、器用な男もあったもんだ、ありゃあれで、なかなか苦労人だよ」「はい、それに、なかなか気前がようおまして……」「だから、女に相当騒がれるだろう、あぶないものだぜ、お宮さん」冗談半分に、女中を相手に関守氏が聞き得たところによると、右の手なしの番公は、最近ここへ雇われて来た男ではあるが、早くも女中たちの人気を取っているらしい...
中里介山 「大菩薩峠」
...片一方でさえこんなもの...
中里介山 「大菩薩峠」
...「この手袋の片一方はどうしたかおぼえているか?」「途中で落したと見えてありませんでした」「どこで落したかおぼえがあるか?」「ありません」「君は小使を撲殺した時に...
平林初之輔 「犠牲者」
...片一方のは何か堅い...
ガールシン 二葉亭四迷訳 「四日間」
...自分の眼を片一方...
宮城道雄 「雨夜の駅」
...或る者は永く片一方の手だけしかはたらけなかった...
室生犀星 「花桐」
...主人の草履(ぞうり)を片一方落してしまった...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
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