...蕭牆(しょうしょう)の辺(へん)に乱(らん)を企(くわだ)てたる者さえなきに非ず...
石河幹明 「瘠我慢の説」
...かぎりなくも温熱(をんねつ)の胸牆(きようしやう)をもとめて...
大手拓次 「藍色の蟇」
...甲板と舷牆との間に水溜りのようになって溜った...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...石(いし)の牆(かき)の繞(めぐ)らされた高(たか)い...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...景は何事だろうと思って牆(かき)を乗り越えて窺きに来た...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「阿霞」
...崩れかかった牆(かき)に圧しつぶされて死んじゃったよ...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「阿繊」
...大悦びで日の暮れるのを待ちかねて牆の下へいった...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「嬰寧」
...おおきな楼房(にかいや)があって高い牆(へい)を四方に廻(めぐ)らしていた...
田中貢太郎 「蛇性の婬」
...世高は牆の上からそこに枝を張っている老樹の枝に移って...
田中貢太郎 「断橋奇聞」
...外國に對して兄弟牆にせめぐことをば見せぬやうにしたのが...
田中正造 「公益に有害の鑛業を停止せざる儀に付質問書」
...努めて牆(かき)の内を覗(のぞ)かれないようにさえした...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...人家の牆(かき)に果實の熟するを見れば必石を投じ花の開くを見れば直にその枝を折らんとし...
永井荷風 「十年振」
...酔(よひ)と云ふ牆壁を築いて...
夏目漱石 「それから」
...杏の花のどんよりとした季節のころにああ私は家を出で なにの學問を學んできたかむなしく青春はうしなはれて戀も 名譽も 空想も みんな泥柳の牆(かき)に涸れてしまつた...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...「牆羮」の二字を巻首に題した...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...妓館屋牆(ぎくわんをくしやう)の麗が旧に依つて存してゐたと云ふからである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...兄弟牆(かき)に鬩(せめ)ぎ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...道に塞(ふさ)がりて牆(かき)のごとし...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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