...イチジクが滾瓜爛熟している...
...彼は、スピーチの内容を滾瓜爛熟するまで練習した...
...推薦状を書く前に、彼女の経歴を滾瓜爛熟させなければならない...
...その作品は、作者が心をこめて滾瓜爛熟したものだと感じられる...
...会社の経営方針に関する議論は、あらかじめ滾瓜爛熟させてから行うべきだ...
...殊に江戸文化の爛熟した幕末の富有の町家は大抵文雅風流を衒(てら)って下手(へた)な発句の一つも捻(ひね)くり拙(まず)い画の一枚も描けば直ぐ得意になって本職を気取るものもあった...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...そんな風物のかもし出す晩春のぬくぬくした爛熟の雰圍氣をからだぢゆうに感じながら...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...いよいよ文化の爛熟時代を現出してきたのでありますが...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...「あなたはきっと晩年のギョオテのような爛熟(らんじゅく)した作をお出しになる」なんぞと云うのだが...
ダウィット Jacob Julius David 森鴎外訳 「世界漫遊」
...燦然(さんぜん)たる爛熟(らんじゅく)せる色彩の庭...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...若々しさのうちに何処か緊りのない爛熟した肉付で...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...日本(にほん)の現在は文化の爛熟してしまった西洋大陸の社会とはちがって資本の有無(うむ)にかかわらず自分さえやる気になれば為すべき事業は沢山ある...
永井荷風 「日和下駄」
...これは形が爛熟(らんじゅく)して...
中里介山 「大菩薩峠」
...爛熟しきった歓楽の底から...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...江戸の文化も漸(ようや)く爛熟しかけて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...甘酸っぱく爛熟した江戸文化は...
野村胡堂 「礫心中」
...爛熟した江戸情緒の失はれるのとともにほろびて消えてしまふのを...
長谷川時雨 「東京に生れて」
...爛熟の上にも爛熟することがとうていできぬことであるとすれば...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...これは閲歴の爛熟したものの免れないところである...
マルセル・プレヴォー Marcel Prevost 森鴎外訳 「田舎」
...本国では半農奴制が爛熟期から崩壊期に向い封建的農奴制を徐々に準備している頃...
槇村浩 「華厳経と法華経」
...即ち都會だけが爛熟して...
吉川英治 「折々の記」
...それから遽(にわか)な爛熟(らんじゅく)を迎えた花のように咲けるだけ狂い咲きに咲いて...
吉川英治 「日本名婦伝」
...京都のもっている爛熟(らんじゅく)...
吉川英治 「源頼朝」
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