...一皮を剥いた下には赤く爛れた樣々の心が...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...而して眞紅に爛れた陽が...
有島武郎 「秋」
...叢雲の血煙を自分の身にも受けて燃え爛れた銅のやうになつた...
有島武郎 「潮霧」
...燒け爛れた潮路を蹴つて...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...あの裂目の内側まで焼け爛れた大きな亀裂に...
大阪圭吉 「坑鬼」
...どこを見ても焦(や)け爛れたやうに醜い山の地肌は露出されて...
徳田秋聲 「籠の小鳥」
...中年の男女の爛れたような情慾はそこにない...
豊島与志雄 「春盲」
...焼け爛れた死体の髑髏や肋骨や腕や脛が...
豊島与志雄 「猫捨坂」
...あの焼け爛れた死体も...
豊島与志雄 「猫捨坂」
...仰向になった儘爛れた太十の姿を発見した...
長塚節 「太十と其犬」
...ツバメが爛れた眼を治すのにキンポウゲの汁を使い...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...御処刑を願いたい」余吾之介は焼け爛れた五十の死体に引寄せられるように...
野村胡堂 「十字架観音」
...そして絶望的に涙が爛れた睫に溢れるのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...己は十字火に爛れた生(な)まをつき放さうとするのだ...
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...目の爛れた口の曲つた...
正宗白鳥 「奇怪な客」
...けれ共間もなく恭吉は狂気の様な熱心と執拗さで発表された四十を越した女の爛れた様な羞恥のない熱情の下で喘がなければならなかった...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...だから忠平のあの薄赤く爛れたトラホームの眼を思い出し...
夢野久作 「眼を開く」
...慰めがたいたましひが爛れた肉を噛み裂いておのが黒血(くろち)を啜り上げ...
與謝野寛 「妄動」
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