...一皮を剥いた下には赤く爛れた樣々の心が...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...赤く焼け爛れた金庫が防火の功名(てがら)を誇り顔していた...
内田魯庵 「灰燼十万巻」
...眼の瞼の爛れたのも澤山あります...
江南文三 「佐渡が島から」
...焼け爛れた両側の炭壁は不規則な退却をして...
大阪圭吉 「坑鬼」
...夏中焼爛れた日光の中に転がつてゐるのも苦しいことの一つだつたよ...
薄田泣菫 「独楽園」
...爛れた神経の尖端で腐肉の中を吸いまわる...
種田山頭火 「赤い壺」
...どこを見ても焦(や)け爛れたやうに醜い山の地肌は露出されて...
徳田秋聲 「籠の小鳥」
...片頬へまで爛れたやうになつてゐた...
徳田秋聲 「浪の音」
...焼け爛れた死体の髑髏や肋骨や腕や脛が...
豊島与志雄 「猫捨坂」
...焼け爛れた死体の堆積の中から...
豊島与志雄 「猫捨坂」
...鉢の中の泥全体が腐れ爛れたようになって...
豊島与志雄 「蓮」
...爛れた生活を脊負ひながら雁江は...
原民喜 「滑走」
...あの僕の眼に灼きつけられてゐる赤く爛れたむくむくの死体と黒焦の重傷者の蠢く世界が...
原民喜 「長崎の鐘」
...その証拠に焼け爛れた短刀の中味は二人の枕元から発見されたにも拘わらず...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...わが面体(めんてい)の爛れたるをつく/″\見て...
夢野久作 「白くれない」
...爛れた処は茶褐色...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...慰めがたいたましひが爛れた肉を噛み裂いておのが黒血(くろち)を啜り上げ...
與謝野寛 「妄動」
...焼け爛れた赤錆色の四角な肌を露出している...
若杉鳥子 「浅間山麓」
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