...劍山刀樹も爛れるかと思ふ程渦を卷いて居りました...
芥川龍之介 「地獄變」
...色(いろ)燦爛(さんらん)たる寶玉(ほうぎよく)を鏤(ちりば)めたる莊嚴(さうごん)に似たるを知る...
ポオル・クロオデル Paul Claudel 上田敏訳 「頌歌」
...熱鉛(ねつえん)のため赤(あか)爛れに爛(ただ)れたところで若い男の死骸をひっぱり出すことにあった...
海野十三 「夜泣き鉄骨」
...焼け爛れた両側の炭壁は不規則な退却をして...
大阪圭吉 「坑鬼」
...そんな風物のかもし出す晩春のぬくぬくした爛熟の雰囲気をからだじゅうに感じながら...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...爛柯亭様御在世中は一方(ひとかた)ならぬ御高誼(こうぎ)に与(あずか)ったことであるが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...爛漫(らんまん)と咲いているのであった...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...『三人妻』はかれの文章中最も絢爛を極めたものである...
田山録弥 「尾崎紅葉とその作品」
...ヘーレーかくて室に入り其燦爛の戸を閉ざし...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...蕃紅花(さふらん)の花床があって爛漫と咲き埋(うず)まっているのであったが...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「空家の冒険」
...それは腐爛(ふらん)した文明の臭気であった...
序 豊島与志雄 「ジャン・クリストフ」
...上の方から三つの眼で爛々(らんらん)と見つめるところの肥った首筋に...
中里介山 「大菩薩峠」
...向側(むこうがわ)の硝子戸(ガラスど)のなかに金文字入の洋書が燦爛(さんらん)と詩人の注意を促(うな)がしている...
夏目漱石 「虞美人草」
...赤黒く焼け爛(ただ)れて...
野村胡堂 「猟色の果」
...……それにしてもほんとうに奴等の音声は々として、絢爛、眼も綾なる面白さに聴き惚(と)れて、思はず自分はうつら/\と夢見心地に誘はれたものだが、一体これは何うなつたのか? と気づいたから、やをらと立ちあがらうとすると、二三日前からの曇り模様で、春が忍び寄つたらしくに、生温く溶けたげんげの泥田に亀の子のやうに伸びてゐる己れの姿を発見した...
牧野信一 「武者窓日記」
...絢爛な多彩な柳桜(やなぎさくら)をこき交ぜたような立派やかな扮り...
正岡容 「小説 圓朝」
...張子製に金銀泥や碧朱燦爛と彩色した物有て...
南方熊楠 「蓮の花開く音を聽く事」
...予等に取つては一瞥してさへ眼睛(がんせい)の糜爛(びらん)を恐れしめ...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
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