...まき子はただもう四五年ぶりにでも吾家に帰っていく子供のように燥いでいるのだ...
伊藤野枝 「わがまま」
...つまり驚喜乱舞という狂燥発作に陥ったのであった...
海野十三 「軍用鮫」
...非常な焦燥を感じた...
海野十三 「地球要塞」
...燥気(いらいら)して...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...投げやりにしてみたりとび立つやうな焦燥の念に駆られたりする...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...一種の焦燥のあまり...
豊島与志雄 「朝やけ」
...流れに映ずる月影の捉え難いような焦燥と不安と魅惑とを彼は感じた...
豊島与志雄 「掠奪せられたる男」
...暑(あつ)いさうして乾燥(かんさう)の烈(はげ)しい日(ひ)がそれを憎(にく)んで硬(こは)い下葉(したば)をがさ/\に枯(か)らした...
長塚節 「土」
...差し当り腐敗を防止し得る程度まで乾燥するのに最も有利な条件を選び出せば良いのであって...
中谷宇吉郎 「雑魚図譜」
...つまらぬ心の焦燥を霧消させ得た経験はその後(ご)限りなくある...
中谷宇吉郎 「指導者としての寺田先生」
...何か掴(つか)みたくっても薬缶頭(やかんあたま)を掴むようにつるつるして焦燥(じ)れったくなったりする人が多分あるだろうと思うのです...
夏目漱石 「私の個人主義」
...いくらさがしてもみつからない焦燥(しょうそう)もさることながら...
新美南吉 「花をうめる」
...吾妻鏡後半の無味乾燥の事實多き日記の部に至りては...
原勝郎 「吾妻鏡の性質及其史料としての價値」
...直ちに乾燥無味が連想されるのも無理はありません...
穂積重遠 「法窓夜話」
...その顔面筋肉には何ともいえない焦燥(いらだ)たしい憤懣の色が動揺するのを私は見逃さなかった...
夢野久作 「戦場」
...そのあとから乾燥し切った風が...
夢野久作 「塵」
......
夢野久作 「猟奇歌」
...ここは全く矢代には乾燥した無人の高い山岳地帯を登るのと同じだった...
横光利一 「旅愁」
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