...またある時は身も世もあらぬ焦燥が襲って来ます...
江戸川乱歩 「算盤が恋を語る話」
...「……さあ……では、そろそろ帰るとしようかね?」「お車をお呼びいたしますでございますか?」「なあに……それには及ばん……」「ついどうも存じませんで……頭取がおいでとは夢にも存じませんでしたので……庶務の方から何の知らせもなかったものですから……つい存じませんで……あ、表玄関の方はもう閉まっておりますから唯今お開けいたしますから」「いや、裏門から出て行くからかまわん」そして私は冷汗を拭きながら、小走りに先に立った守衛に潜り戸を開けてもらって、外へ出たのであったが、ジャズの狂燥、蓄音器の律動(リズム)、カスタネットの足踏み、女たちの合唱、自動車は馳(は)せ交い灯光は燦(きら)びやかに、巷は今春宵の一刻を歓楽の中に躍り狂おうとしているところであった...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...空気ヲ乾燥サセルタメニモ冷房シタ方ガイヽト...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...何か或る驚異を求める焦燥の心が萠し...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...彼らは無味乾燥な談話に加わりに来...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...乾燥した低い咳を五つ六つ続けてした...
豊島与志雄 「反抗」
...枯燥(こさう)しつゝある彼等(かれら)の顏(かほ)にはどれでも華(はな)やかな紅(べに)を潮(さ)して居(ゐ)る...
長塚節 「土」
......
中谷宇吉郎 「赤倉」
...その条件というのは先ず兎の毛を十分よく乾燥させて置くことと...
中谷宇吉郎 「雪」
...華北や滿洲のように春さき乾燥して水が不足して困る地方のことであろう...
中谷宇吉郎 「雪を消す話」
...まして甘いなやみをもった青春の男女にとって、五月という季節は、何とも名状しがたい、いてもたってもいられないような、焦燥感を与える...
平林初之輔 「人造人間」
...窓々の拡声ラッパは花やかな夜の開幕を告げる狂燥曲を放送しはじめてゐた...
牧野信一 「変装綺譚」
...それを充分によく乾燥させる...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...またこの内皮を取って乾燥して磨して白い粉となし楡麺(ゆめん)に製し食べるものがいわゆる楡白粉である...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...その眼底に髣髴(ほうふつ)する焦燥をありありと燃え立てさせた...
室生犀星 「お小姓児太郎」
...それは単に素地(きじ)の乾燥(かんそう)がいいとか...
柳宗悦 「陸中雑記」
...ここは全く矢代には乾燥した無人の高い山岳地帯を登るのと同じだった...
横光利一 「旅愁」
...焦燥はやがて一つの決心を私に與へた...
若山牧水 「樹木とその葉」
便利!手書き漢字入力検索
