...それらしい燈影(ひかげ)は映(うつ)らぬ...
泉鏡太郎 「雨ふり」
......
内田魯庵 「八犬伝談余」
...東武電車(とうぶでんしや)の鉄橋(てつけう)の上(うへ)を絶(た)えず徃復(わうふく)する電車(でんしや)の燈影(ほかげ)に照(てら)され...
永井壮吉 「吾妻橋」
...燈影(ほかげ)しずかな料理屋の二階から芸者(げいしゃ)の歌う唄(うた)が聞える...
永井荷風 「深川の唄」
...晩霞散じて暮烟紫に天地を罩(こ)むるや人家の燈影亦目を慰むるに足る...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...葛西橋の燈影のちらつくのを認めて...
永井荷風 「放水路」
...また前方には一点の燈影(とうえい)も見えない事...
永井荷風 「放水路」
...人家の窓から漏れる燈影(ほかげ)をたよりに歩いて行くと...
永井荷風 「羊羹」
...燈影(とうえい)風にしばしばまたたくところ...
長谷川時雨 「樋口一葉」
...移り動く朦朧とした暗、明滅する燈影が、此處に逍遙(さまよ)ひ、彼處にちらつくにつれて、今眉を顰(しか)めたのが顎鬚のあるお醫者のルカであつたかと思へば、今搖れたのは聖ヨハネの長い髮の毛であつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...燈影(とうえい)仄(ほの)暗い一九一四...
牧逸馬 「戦雲を駆る女怪」
...水銀の細い騰り目を燈影に翳してびつくりしたやうに...
水野仙子 「四十餘日」
...此年除夜の詩に曰く為レ客京城五餞レ年、雪声燈影両依然、爺嬢白髪応レ添レ白、説二看吾儂一共不レ眠と...
山路愛山 「頼襄を論ず」
...燈影(ほかげ)一つ見えなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...そのあいだ――開けひろげてあるために明滅の烈しい燈影(とうえい)を...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...退(さ)がって来る美人――何かを捧げ持って――燈影(とうえい)の下を楚々(そそ)と通う女性たちの色やにおいにそれが濃い...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...枕もとに吊られた洋燈の燈影もたえずまたゝいて...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...相迫つた峽間(はざま)の奧の闇の深い中に温泉宿の燈影を見出した時は...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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