...俺は今創造の熱に燃えてゐる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...俺の心には再び權威に反抗するの精神が燃え出した...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...あとには燃えるような青空の中に不規則な屋根の波ばかりが目をちかちかさせて残っていた...
有島武郎 「或る女」
...足下には燃える樣な赤い裏を引覆(ひつくらか)へした...
石川啄木 「病院の窓」
...赤い舌をあげて燃えあがった...
海野十三 「少年探偵長」
...消えた蝋燭に光を足せば燃えている蝋燭となる...
丘浅次郎 「我らの哲学」
...曾てそこにさうした恋が燃えたなどとは夢にも思へないほどあたりは冬に包まれて了つてゐる……...
田山録弥 「あさぢ沼」
...ただそうして熔けて燃えてゆくのが...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...ぶっつかる火の風はじける火の粉の闇で金いろの子供の瞳燃える体灼(や)ける咽喉(のど)どっと崩折(くずお)れて腕めりこんで肩おお もうすすめぬ暗いひとりの底こめかみの轟音が急に遠のきああどうしたことどうしてわたしは道ばたのこんなところでおまえからもはなれし...
峠三吉 「原爆詩集」
...眼の中に燃えさせて「御自愛下されますよう」「うむ――疲れたぞ...
直木三十五 「南国太平記」
...そのうちに微々(とろとろ)と蝋燭が燃え縮まり...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...炉がにぎやかに燃えていた...
本庄陸男 「石狩川」
...髪の白くなりかかっている四十七歳のマリアの躯と心の中に燃え立っていたのであった...
宮本百合子 「キュリー夫人」
...蚊(かや)の外に小さく燃えているランプの光で...
森鴎外 「あそび」
...心(しん)が燃えてしまつて...
森鴎外 「金貨」
...澄んだ水を透(すか)して燃えあがっている...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
...めらめらと燃える樣にとも...
若山牧水 「樹木とその葉」
...その根元には燃え上がる炎が凄(すさま)じい勢いで動いていた...
和辻哲郎 「地異印象記」
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