...葡萄の實の熟する頃...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...ナポレオンは一部をもって前線を救援せしめたがなお主力は参加せしめず戦機の熟するを待った...
石原莞爾 「戦争史大観」
...機の熟する迄(まで)は...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...互いの胸中には禍心を包蔵して機の熟するまでの平和を希望したまでで...
大隈重信 「永久平和の先決問題」
...そして彼等の体験が戦争文章として成熟するのを...
戸坂潤 「戦争ジャーナリスト論」
...それら二つが「倫理」と熟する時どうなるかが...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...天明に入りてその技漸(ようや)く円熟するや...
永井荷風 「江戸芸術論」
...柿の葉は花より赤く蜜柑の熟する畠の日あたりにはどうかすると絶えがちながら今だに蟋蟀(こほろぎ)の鳴いてゐる事さへあるではないか...
永井壮吉 「冬日の窓」
...この薯の熟するを待っていたものでしょう...
中里介山 「大菩薩峠」
...既にこの数年の間にかほど進歩の機運が熟するとしたなら...
夏目漱石 「文芸委員は何をするか」
...諸学問が悪くない程度に成熟するにも時間が短い...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...成功の時機正に熟するものなり...
福沢諭吉 「女大学評論」
...その機の熟するを待てる折しも...
福田英子 「妾の半生涯」
...木にあるまゝなのだから斯うして置いてもその儘柿は成熟するだらう――と最初から思つてゐたのである...
牧野信一 「蔭ひなた」
...初めは緑色であるが熟すると黄色を帯び皮は厚かった...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...智能の熟するはずがないと言った(ボスエルの『ジョンソン伝』七十五歳の条)...
南方熊楠 「十二支考」
...辛抱づよく機の熟するのを待つ場合とがある」と岡安は心のこもった口ぶりで云った...
山本周五郎 「さぶ」
...といって自己表現に役立てるほど外国語に習熟することも容易ではない...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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