...此秘術を施すと、少くとも十日か一週間は他の苗よりも早く、果実が成熟する...
石川三四郎 「百姓日記」
...五月になると此の円莢が熟する...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...私はそういう機会が熟する時を待とうと思う...
戸坂潤 「科学方法論」
...そして彼等の体験が戦争文章として成熟するのを...
戸坂潤 「戦争ジャーナリスト論」
...音楽のようやく技の熟するにいたって...
中井正一 「リズムの構造」
...夏のころ梅の如き淡紅(たんこう)の花を開き後(のち)莢(み)をむすび熟するときは裂(さ)けて御輿(みこし)のわらびでの如く巻きあがる...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...爛熟の上にも爛熟することがとうていできぬことであるとすれば...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...機の熟するのを待っていた...
火野葦平 「花と龍」
...その機の熟するを待てる折しも...
福田英子 「妾の半生涯」
...食われる果実がその時期に熟するからである...
牧野富太郎 「アケビ」
...それが熟すると開裂して細毛を伴った種子が飛散することを私も目撃したことが数度ある...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...そして実が熟する時は花茎が長くなって葉の上に露われる事が多いが...
牧野富太郎 「植物記」
...この木は秋に開花するからその実は翌年の秋に熟する...
牧野富太郎 「植物記」
...菓物(くだもの)は凡て熟するものであるから...
正岡子規 「くだもの」
...その皮の色は多くは始め青い色であって熟するほど黄色かまたは赤色になる...
正岡子規 「くだもの」
...自分の芸術がより豊かに円熟することをひそかに期待したのである...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...絵も絵だけとして発達し爛熟すると...
三好十郎 「ゴッホについて」
...といって自己表現に役立てるほど外国語に習熟することも容易ではない...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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