...この山男がのさのさと熊笹の奥から現れたれば...
芥川龍之介 「きりしとほろ上人伝」
...熊笹の中から現れて来た...
芥川龍之介 「槍ヶ嶽紀行」
...小牛大の猛犬忽(たちま)ち縮み上がりて熊笹の間へ逃げ込んでしまった...
押川春浪補 「本州横断 痛快徒歩旅行」
...池の辺の熊笹は、丈より高かった...
板倉勝宣 「山と雪の日記」
...熊笹を分けて一筋道をゆくと...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...七時に熊笹と樹木が全く絶えた芝生となって...
高頭仁兵衛 「平ヶ岳登攀記」
...道はうねうねと夏草や熊笹隠れに...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...起(た)って熊笹(くまざさ)の葉を二三枚執(と)って来てそれにのっけて僧の前にだした...
田中貢太郎 「岩魚の怪」
...相手の横鬢から、血が飛んで、熊笹へ、かかると「突なりいっ」八郎太は、若者の稽古のように絶叫して、相手の胸へ一突きくれると、血の飛ぶのを避けて、右手へ飛び退った...
直木三十五 「南国太平記」
...崖の熊笹(くまざさ)の中から驚いて飛出した...
永井荷風 「狐」
...熊笹の茂つてゐる一間余りの崖を攀(よ)ぢ登ると上から手を差し延べた...
長與善郎 「青銅の基督」
...戸田老人はその上に熊笹を積みあげた...
本庄陸男 「石狩川」
...熊笹に覆はれ槙や椿の老木を天蓋にした崖が眼上まで迫つてゐた...
牧野信一 「籔のほとり」
...熊笹が低くなって日影が満面に照らしている...
吉江喬松 「木曾御嶽の両面」
...熊笹(くまざさ)をザワつかせて...
吉川英治 「江戸三国志」
...身を没(ぼっ)するような熊笹(くまざさ)のなかを追いのぼっていった...
吉川英治 「神州天馬侠」
...背よりも高い熊笹(くまざさ)をかぶっていた...
吉川英治 「親鸞」
...宿所を取(と)らんとするも長一丈余の熊笹(くまささ)繁密せるを以て...
渡邊千吉郎 「利根水源探検紀行」
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