...すっかり少女のような無邪気な素直(すなお)な心になってしまって...
有島武郎 「或る女」
...彼れはその珍らしい無邪気な微笑をほほえんでいた...
有島武郎 「カインの末裔」
...それだけ男は無邪気なのでせう...
伊藤野枝 「新らしき婦人の男性観」
...三四人の十歳前後の無邪気な子供等が...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...その無邪気な気焔を聞くのを楽しみにしていた...
大杉栄 「獄中記」
...ひどく陽気で無邪気な鬼のやうだ...
太宰治 「お伽草紙」
...若旦那がへんにしだしたのは、昨年の暮比(ごろ)からでございますよ、元は無邪気で、きびきびして、始終(しょっちゅう)旦那に小遣をねだって、旦那が煩(うるさ)がると、私(わっし)が仲へたってもらってあげるものだから、戦争から帰ってらしても、私(わっし)に、今日は兄(あにき)の機嫌はどうだなんて、よく仰(おっ)しゃってたものですよ、それが昨年の暮比からみょうに黙りこんで、厭(いや)な物でも眼前(めのまえ)にいるようにしてるのですよ」「女のことじゃないだろうか」「旦那がせんだっても、そう仰しゃるものですから、それとなしに壮佼(わかいしゅ)に聞かしたのですが、何人(だれ)も知らないのですよ」「そうか、この比(ごろ)は、私(わし)に顔をあわすのも厭(いや)と云うように、私をさけるのだよ」「ほんとにどうしたと云うのでしょう、あんな無邪気な、きびきびしてた方が」「どうしたと云うのだろうな、それで、昨夜(ゆうべ)から帰らないのか」「そうでございますよ」「そうか」広栄は後の煙草(たばこ)を点(つ)けて庭の方へやるともなしに眼をやった...
田中貢太郎 「春心」
...その飾り気のなさや無邪気な雅趣によって...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「イオーヌィチ」
...無邪気なような声で言って...
徳田秋声 「新世帯」
...子供心のいかにも無邪気な理由ではないか...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...その顔つきには老手品師のような渋面と最も無邪気なかわいい微笑とがいっしょに浮かんでいた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ネルロの無邪気な言葉を聞いて...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 菊池寛訳 「フランダースの犬」
...人間が生きている! というわれわれの無邪気なる驚異で済まされないのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...女の無邪気な意地悪から...
萩原朔太郎 「夏帽子」
...無邪気なものだが...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...きちんと畳んだハンケチをもっている手を仄白い自分の無邪気な丸顔の前でふるようにして...
「鏡の中の月」
...この栖方の無邪気な微笑にあうと...
横光利一 「微笑」
...無邪気な少年の心に...
和辻哲郎 「藤村の個性」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??