...すっかり少女のような無邪気な素直(すなお)な心になってしまって...
有島武郎 「或る女」
...その時分あなたはまだ肩上げをした無邪気な娘さんだった...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...ベントリー「無邪気な船長」...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...生活ということなど知らない子供のような無邪気な笑いであった...
高見順 「如何なる星の下に」
...彼の眼の前には無邪気なおつとりした女の顔が見えるやうであつた...
田中貢太郎 「蟇の血」
...無邪気なような声で言って...
徳田秋声 「新世帯」
...別に無邪気な少女や世間を知らない処女などではなく...
戸坂潤 「社会時評」
...案外無邪気な内容のものかも知れない...
戸坂潤 「友情に関係あるエッセイ」
...やはり嬉しそうな無邪気な表情をしたまま...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...ですから、私が生れて第一に耳にしたものは、乃ち皺枯(しはが)れた父の口小言、第一に目にしたものは、何時も襷(たすき)を外した事のない母の姿で、無邪気な幼心に、父と云ふものは恐いもの、母と云ふものは痛(いたま)しいものだと云ふ考へが、何より先に浸渡(しみわた)りました...
永井荷風 「一月一日」
...円満な家庭のさまや無邪気な子供の生活を描(うつ)した英語の読本...
永井荷風 「一月一日」
...無邪気な生の希望に満ちみちていたお雪ちゃんが...
中里介山 「大菩薩峠」
...無邪気なもの単純なもの快活なもの...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「餓えた人々(習作)」
...僕はこの無邪気な正則な人たちの中に...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...そして人の好い無邪気な笑顔で丸田にも会釈(ゑしやく)した...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...無邪気なものである...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...最も無邪気なる山人が住むといわれております...
柳田国男 「山の人生」
...妻も姉も、彼女の無邪気な、鳩のような態度と、澄んだ、清らかな茶色の瞳と、路傍にタタキ付けられて救いを求めている小鳥のような彼女のイジラシイ態度……バスケット一つを提(ひっさ)げて職を求めつつ街を彷徨(ほうこう)する彼女の健気な、痛々しい運命に、衷心(ちゅうしん)から吸い付けられてしまっていた...
夢野久作 「少女地獄」
便利!手書き漢字入力検索