...且又今人も無邪気なる英雄崇拝の的になるものは大抵彼等の頭の上に架空の円光を頂いてゐる...
芥川龍之介 「僻見」
...級は木村の……木村君のほうが二つも上でしたがね」「あなたはあの人をどうお思いになって」まるで少女のような無邪気な調子だった...
有島武郎 「或る女」
...独無邪気ないたずら童子の頭に記臆(〔ママ〕)された許りであった...
伊藤左千夫 「井戸」
...こんな無邪気な漫画水兵であるとは……...
海野十三 「流線間諜」
...どんな嵐でも健康で無邪気な耳にとってはアイオロス風神の音楽でないものはない...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...実に無邪気な罪人である...
太宰治 「パンドラの匣」
...――(純潔無邪気な娘に何を言い得ることがあったろう?)――ただ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼は高潔な無邪気な多くのことを昔信じていただけに...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...コゼットは子供らしい無邪気なまた悲しい知恵をしぼって...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...もう以前の無邪気な心で弁信さんに顔を向けることさえできません...
中里介山 「大菩薩峠」
...そうして列仙伝を読んで子供の時の無邪気な努力を繰り返し得るほどに生き延びた...
夏目漱石 「思い出す事など」
...三四郎は無邪気なる女王の前に出た心持ちがした...
夏目漱石 「三四郎」
...あたしはそんな無邪気な言いのがれをしているのではない...
久生十蘭 「だいこん」
...無邪気な安寿が気に入った...
森鴎外 「山椒大夫」
...フランス……ノ……チチ……ニ……テガミ……デ……シラセ……マス……」という無邪気な日本語が殿下の唇から洩れた...
夢野久作 「暗黒公使」
...柔いフランス語で戯れている無邪気な肩のあたりから...
横光利一 「旅愁」
...笠のきちんが振(ふる)っておる」「無邪気なものでございますね...
吉川英治 「宮本武蔵」
...あいつのことを、みんなこう言っていた、「律義(りちぎ)な男だ、無邪気なもんだ...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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