...『また麦煎餅の一件ですか?』斯う言つて多吉は無邪気な笑ひを洩(もら)した...
石川啄木 「道」
...無邪気な眼(まな)ざしの...
犬養健 「亜剌比亜人エルアフイ」
...幼い少年のころの無邪気な感情の傾き...
薄田泣菫 「独楽園」
...そのような同胞の無邪気な努力を情なく思う自分の気取った心に罪があるのかも知れない...
太宰治 「惜別」
...彼の眼の前には無邪気なおっとりした女の顔が見えるようであった...
田中貢太郎 「蟇の血」
...如何(いかが)でございますか」女は無邪気な顔をしていた...
田中貢太郎 「切支丹転び」
...ほんの無邪気な出来心から...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...祝儀はしませんけども……」この近所の娘からいくらも変つてゐないその無邪気な女中は...
田山録弥 「島の唄」
...あの汽車中の無邪気な男にちがいない...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「青玉の十字架」
...無邪気な笑い顔を見せるようになりましたけれど...
中里介山 「大菩薩峠」
...子供の如く無邪気なスティヴンスンの喜びの宴を以て...
中島敦 「光と風と夢」
...自分の背後にはすでにこれだけ無邪気な過去がずっと続いている事を発見した時...
夏目漱石 「行人」
...父のチャールズ卿の無邪気な童顔がにわかに豹変し...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...やさしくて無邪気な方なので感服いたしました...
三浦環 「お蝶夫人」
...あれから、半年ばかりの間に、どれほどの苦労をしたのかしらんと、恭二は、ぼんやりと、無邪気な、子供が鳥の飛ぶのを驚く様な驚きを持って居た...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...娘は無邪気なのよ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...それが又却(かえっ)てこの少年の無邪気な表情を...
夢野久作 「暗黒公使」
...小児(こども)のような無邪気な微笑を浮かべたが...
夢野久作 「復讐」
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