...二人は喰い終ってから幾度も固唾(かたず)を飲んだが火種のない所では南瓜(かぼちゃ)を煮る事も出来なかった...
有島武郎 「カインの末裔」
...焼くか煮るかして食ぜんへ出してみたい」キンちゃんは料理人だから...
海野十三 「三十年後の世界」
...その恵山泉の水で茶を煮ると...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...金曜日に煮ることを習慣としていた...
ジョン・スノウ John Snow 水上茂樹訳 「コレラの伝染様式について」
...煮るに酒も醤油もないから茄でゝをく...
種田山頭火 「其中日記」
...なんと草の芽が出る出る・けさはお粥を煮るとて春の黴(カビ)・春さむく針の目へ糸がとほらない春夜...
種田山頭火 「其中日記」
...・誰も来ない蕗の佃煮を煮る・蕗つめば蕗のにほひのなつかしく・蕗の香のしみ/″\指を染めた・初夏の...
種田山頭火 「其中日記」
...貰つて来た馬肉(酔中でも遺失しなかつた)を煮る...
種田山頭火 「其中日記」
...六 藁が真綿になる話藁(わら)にある薬品を加えて煮るだけでこれを真綿に変ずる方法を発明したと称して...
寺田寅彦 「路傍の草」
...ジ……と肉を煮る匂いが...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...そんなお客が来るんなら私達は逃げ出さう――家の中で牛肉を煮ることすら決して許さない彼の祖母は仏壇に錠を下して...
牧野信一 「或る五月の朝の話」
...ブツブツと胴切りにして羹(しる)に煮るを何やら分らずに吃(く)う...
南方熊楠 「十二支考」
...別にバター一杯にてメリケン粉一杯をいため前の湯煮汁と牛乳とを各五勺ずつ加え塩胡椒にて味を付けたる白ソースを作り前の湯煮たる皮を入れて一時間ほど弱火にて煮るなり...
村井弦斎 「食道楽」
...踊を踊る、しゃべくる、物を煮る、酒を飲む、色をする、考えて御覧なさい、どこにもこれより好(い)い事はありませんぜ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...買って来たぼろ布を入れて煮る...
山本周五郎 「季節のない街」
...下痢(げり)止めの六和湯(りくわとう)を煎(せん)じるやら粥(かゆ)を煮るやらで...
吉川英治 「新・水滸伝」
...豆を煮るにおいがどこともなく流れてくる...
吉川英治 「親鸞」
...暗い梯子段を上がると膠を煮るあの臭いが顔をつつむ...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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