...そこへ哀しい人間がきた・考へつつ出来た御飯が生煮で・梅雨晴ごし/\トラツクを洗ふ親も子も田を植ゑる孫も泥をふむ・まづしいけれどもよい雨の糸瓜を植ゑる・とんぼつるめばてふてふもつれるま昼のひかり・煮る蕗のほろにがさにもおばあさんのおもかげ・障子をたたくは夏の虫・蠅もおちつかない二人のあいだ・みんないんでしまうより虫が鳴きだした・雑草のなか蛙のなかや明け暮れて昼も蚊がくるうつくしい蚊六月廿四日晴...
種田山頭火 「行乞記」
...飯を炊き汁を煮る...
種田山頭火 「其中日記」
...――芋を拾へば芋粥を煮る...
種田山頭火 「其中日記」
...そっとして煮ること...
羽仁もと子 「女中訓」
...鰕(えび)を鍋の中で泳がせながら煮る一項だけ覚え居る...
南方熊楠 「十二支考」
...誰か魚類を煮るか焼くかの外に料理法なしというや...
村井弦斎 「食道楽」
...これにはよく実(み)の入(い)った南瓜がいいので皮を剥いて小さく切って蒸すか湯煮るかしてそれを裏漉しにかけて一合の中へ玉子の黄身を一つ位入れて砂糖と肉桂(にっけい)の粉で味をつけて玉子焼鍋へ油を敷いてその中へ今の物を入れて二...
村井弦斎 「食道楽」
...赤茄子ばかりでありません、牛でも鳥でも魚でも廉(やす)い材料を使って美味しい御馳走を拵えるのが家庭料理の主意で、先日もイチボの徳用料理をお教え申しましたがイチボより廉い肉で一斤十八銭即ち二斤買っても三十六銭より出ない肉で美味しい料理が出来ますよ」○赤茄子のジャムを長く貯うる法は、弱火にて二、三時間煮るなり...
村井弦斎 「食道楽」
...別にフライ鍋へバター一杯を入れメリケン粉一杯をいため黒色になりし時スープ一合を入れ塩胡椒を以て味を付けたるブラウンソースを作り葡萄酒五勺ほど入れて前の湯煮たる皮を入れ一時間煮るあり...
村井弦斎 「食道楽」
...○また湯煮て皮を剥たる舌を白ソース一合の中へ玉子の黄身二個を入れてツブツブにならぬよう掻混(かきま)ぜたる中へ入れ弱火にて二十分間煮るなり...
村井弦斎 「食道楽」
...摺身(すりみ)にして一旦(いったん)油で揚げたものをまた美味(おいし)く煮るのもあります...
村井弦斎 「食道楽」
...全体御飯はお米を煮るものか蒸(む)すものかと申すのに煮るよりもむしろ蒸す方の心持で炊かなければなりません...
村井弦斎 「食道楽」
...牛蒡その他のお煮〆(にしめ)を煮るには魚類のスープを用ゆべし...
村井弦斎 「食道楽」
...ネルラが水で煮るとそれよりも旨い...
カミイユ・ルモンニエエ Camille Lemonnier 森林太郎訳 「聖ニコラウスの夜」
...売る声、呼ぶ声、語る声、笑う声、それに食べる声、飲む声、雑然たる騒音の中に、着る物、容(い)れる物、汲む物、煮る物、飾る物、切る物、ありとあらゆる雑具が売られる...
柳宗悦 「全羅紀行」
...この二十三日の晩に煮る粥(かゆ)には...
柳田国男 「年中行事覚書」
...買って来たぼろ布を入れて煮る...
山本周五郎 「季節のない街」
...うちじゃ焼くのも煮るのも...
山本周五郎 「へちまの木」
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