...彼は豆を煮るに、豆莢を燃やすを欲せざりき...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...昼は前のF家から茶碗に一杯の醤油を借りて菜葉を煮る(神保さんが借りてきてくれた...
種田山頭火 「行乞記」
...老の涙! その涙は辛かつたらう!蕗を煮る...
種田山頭火 「行乞記」
...・枯枝ひらふにもう芽ぶく木の夕あかり・春の夜の街の湯の湧くところまで・つゝましく大根煮る火のよう燃える曇り日のひたきしきりに啼いて暮れる三月十二日ぬくい雨...
種田山頭火 「其中日記」
...夜執筆の傍火鉢にて林檎を煮る...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...牛肉を煮るんだが野菜がない! なんていふ日には...
牧野信一 「村のストア派」
...出る杭を打たうとしたりや柳かな酒を煮る家の女房ちよとほれた絵団扇(うちわ)のそれも清十郎にお夏かな蚊帳(かや)の内に蛍放してアヽ楽や杜若(かきつばた)べたりと鳶(とび)のたれてける薬(くすり)喰(くい)隣(となり)の亭主箸持参化さうな傘かす寺の時雨(しぐれ)かな後世一茶(いっさ)の俗語を用ゐたる...
正岡子規 「俳人蕪村」
...全体を通じて言へば句法において蕪村の「酒を煮る」「絵団扇」の如きしまりなく...
正岡子規 「俳人蕪村」
...それは新しき鰺を三枚におろし骨ともに湯煮て身ばかりを細かにほごし別にフライ鍋へバターを溶かしコルンスターチを入れていため鰺の湯煮汁と牛乳との半々を加えて薄き白ソースを作り塩胡椒にて味を付け前の身を入れ能(よ)く混ぜ合せて二十分間煮るなり...
村井弦斎 「食道楽」
...それから梨も砂糖ばかりで煮てはいけませんが赤葡萄酒(あかぶどうしゅ)で煮ると大層結構です...
村井弦斎 「食道楽」
...そうかと思うと松茸(まつだけ)や初茸(はつだけ)を煮る時毒消しだといって必ず茄子を一つ入れるかあるいは丸茄子がなければ蔕(へた)だけでも入れるのはどういう訳だろう」中川「日本茄子の事はまだ学術的に研究した報告がないので精密に分らんけれども...
村井弦斎 「食道楽」
...一旦湯煮て薩摩汁の如く種々の野菜と共に煮るがよし...
村井弦斎 「食道楽」
...きっと驚きますよ」大原「僕もお相伴(しょうばん)を」お登和「ですが美味(おいし)いシチュウは今日の間に合いません」妻君「そんなに長く煮るのですか」お登和「イイエ長く煮過ぎても肉が硬(こわ)くなって味が抜けますし...
村井弦斎 「食道楽」
...人は今日では煮るか焼くかして食う故に...
柳田国男 「木綿以前の事」
...「生ま物があるから煮るんだよ」「生ま物だって...
山本周五郎 「季節のない街」
...買って来たぼろ布を入れて煮る...
山本周五郎 「季節のない街」
...豆を煮るにおいがどこともなく流れてくる...
吉川英治 「親鸞」
...スープを煮る水を沸かしはじめた...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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