...生憎(あいにく)少斎は抜け歯を煩(わづら)はれ居り候まま...
芥川龍之介 「糸女覚え書」
...治療は櫛田医師を煩わすことにして...
谷崎潤一郎 「細雪」
...以上が煩をしたので誠に遺憾に耐へません...
土井晩翠 「漱石さんのロンドンにおけるエピソード」
...彼には左右へ首を動かしている熊にも似た親友の態度が煩(うる)さく思われた...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...個人的な問題に煩わされてはいけないので...
豊島与志雄 「立枯れ」
...煩悶してどうか発表したいとするが発表できない...
夏目漱石 「創作家の態度」
...存分に思い知らせる仕置は無いものか――を思い煩って居るのです...
野村胡堂 「裸身の女仙」
...「煩悩(ぼんなう)具足(ぐそく)の衆生(しゆじやう)は...
林芙美子 「浮雲」
...どうしても泳ぐ術の出来ない水夫の煩悶にも似てゐた...
牧野信一 「秋晴れの日」
...一寸母は煩ささうに云つた...
牧野信一 「鏡地獄」
...内腫を起し一生煩う誠に毒木だと...
南方熊楠 「十二支考」
...先般来晨子のことでは一方ならぬ御配慮を煩し...
宮本百合子 「伊太利亜の古陶」
...玉鬘(たまかずら)は限りもない煩悶(はんもん)をしていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...多くの神歌の中に煩(わずら)わしきまでに語り伝えられているのに...
柳田国男 「海上の道」
...その後久しく煩(わずら)いたりといえり...
柳田国男 「遠野物語」
...肥満した女主人が僕に惚れて煩悶(はんもん)しだした...
吉行エイスケ 「飛行機から墜ちるまで」
...)先生が製作によって生の煩わしさを超脱する心持ちは...
和辻哲郎 「夏目先生の追憶」
...画かきさんはさらに煩わしい人事の渦中...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
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