...お蔦さんが煩らっていらっしゃる事は...
泉鏡花 「婦系図」
...併しそれは可なり煩さい情実がひし/\とからみついた面倒な結果をもたらした...
伊藤野枝 「感想の断片」
...又一方その動詞形の複雜煩瑣に慣れてゐる人々にとつてさへ...
高田力 「ベーシック英語」
...なぜなら解決の付かない不決定は懐疑や煩悶にすぎないから(で懐疑や煩悶が見せかけの解決のためには苦笑や嘲笑に導くのは尤もである)...
戸坂潤 「思想としての文学」
...然る処いろ/\面倒なる事のみ起来りて煩しければ暇をやり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...この正体を見届ようと煩悶(はんもん)し抜いた結果...
夏目漱石 「行人」
...そのままではほとんど紙上に載せて読者の一覧を煩(わずら)わすに堪(た)えぬくらい混雑している...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...つねに人と交際するのを煩(わずら)わしく思う...
新渡戸稲造 「自警録」
...仙台藩の仲介までも煩(わずら)わし...
野村胡堂 「銭形平次打明け話」
...」「何を笑ふんだ、煩い...
牧野信一 「嘆きの孔雀」
...しかれどもそは徒(いたずら)に煩(はん)を増すのみ...
正岡子規 「古池の句の弁」
...少時(しばらく)經(た)つとまた別(べつ)に他の煩悶が起つた...
三島霜川 「平民の娘」
...これまでも妖気(もののけ)がもとでおりおりお煩(わずら)いになることはあっても...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...そんな煩悶(はんもん)をあなたがしておいでになるのなら...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...家に戻れば耐えられぬことの積み上って来る煩わしさから...
横光利一 「旅愁」
...煩(うるさ)くも感じなかつたので好(い)い加減な応答をして居たら...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...彼女に逢つたのを如何にも煩さく...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...左様な御焦慮を煩(わずら)わしましたか...
吉川英治 「新書太閤記」
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