...わたしは彼の煎り豆を噛んだのは倹約の為と信じてゐたものゝ...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...麦煎餅を買つて御礼に来た...
石川啄木 「赤痢」
...煎餅(せんべい)のように押(お)し潰(つぶ)されるといはれ...
今村明恒 「地震の話」
...良人(をつと)金子氏の肝煎(きもいり)で主人筋鈴木家の薬局に零余子を迎へる事にした...
薄田泣菫 「茶話」
...煎(い)つてゐる雛(ひな)のあられの花咲きつ遠ざけて引寄せもする春火桶(はるひおけ)三月七日 二百二十日会...
高浜虚子 「五百五十句」
...自然に思い出されたのは長告が子供の時分の遊び友達でお糸(いと)といった煎餅屋(せんべいや)の娘の事である...
永井荷風 「すみだ川」
...例へば雪みぞれの廂(ひさし)を打つ時なぞ田村屋好(たむらやごの)みの唐桟(とうざん)の褞袍(どてら)に辛(から)くも身の悪寒(おかん)を凌(しの)ぎつつ消えかかりたる炭火(すみび)吹起し孤燈(ことう)の下(もと)に煎薬煮立つれば...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...こんなに肝煎(きもいり)ぶりをなさるのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...赤は煎餅が好きであった...
長塚節 「太十と其犬」
...名物の大煎餅なぞ竹につけてかついで...
額田六福 「解説 趣味を通じての先生」
...思い切って濃いのが好きで煎茶(せんちゃ)の急須(きゅうす)へ...
野村胡堂 「胡堂百話」
...すると貞奴は、「早くあの豌豆(えんどう)を買って頂(ちょう)だい、塩煎(いり)よ...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...西域ノ人圧シテ油ト為シ以テ餅果ヲ煎ズルコト中国ノ巨勝〔牧野いう...
牧野富太郎 「植物記」
...煎餅より外に何もないか...
正岡子規 「明治卅三年十月十五日記事」
...それからモット上等の飲料を拵えるには玉子の黄身四つへ砂糖を大匙三杯混ぜて一合の牛乳を少しずつ注いで行ってそれを湯煎(ゆせん)にして暫(しばら)く掻廻(かきまわ)すとドロドロしたカスターソースが出来ます...
村井弦斎 「食道楽」
...煎餅をちょっと買うような心持で買うことができた...
柳田国男 「故郷七十年」
...その熱で煎(い)り焼きにしたのだという...
山本周五郎 「山彦乙女」
...薬を煎(せん)じながら...
吉川英治 「新書太閤記」
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