...然も、怎したものか、生れてから云つた事のない樣な際敏(きはど)い皮肉までが、何の苦もなく、咽喉から矢繼早に出て來る...
石川啄木 「菊池君」
...然も先導者は到底永遠に生き得べきものでない...
伊藤野枝 「新らしき女の道」
...然も初めにはただ執り物であり神格の表象に過ぎなかつたおしら神が...
竹内勝太郎 「淡路人形座訪問」
...自然も人間もおだやかに...
種田山頭火 「其中日記」
...然も雪のちらほら降り出した日であった...
永井荷風 「花火」
...然もそれは二百四五十部しかない処...
中里介山 「生前身後の事」
...然も眉間の間には心配と反抗との混交(まじ)った凄味を漂わせて居る...
羽志主水 「監獄部屋」
...月の光のなかでは、人間も、自然も、やさしげに見えるのだろうか...
久生十蘭 「あなたも私も」
...然もかんかんに怒っている際だ! それに...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...此處にはどんな偶然も入り込めない...
堀辰雄 「詩集「窓」」
...然もわざとらし気に愛嬌などを振りまいてゐるのだ...
牧野信一 「西瓜喰ふ人」
...具體性を失ふことなしに然も唯物論であり得るであらうか...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...(a)自然もまた*我々に生を蔑視せよとせまる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...天然も環境も次々に刺激を与えて...
柳田国男 「年中行事覚書」
...然も波が立っていた...
山本周五郎 「青べか日記」
...然もそれがかなり決定的であるということは直感しつつ...
山本周五郎 「日本婦道記」
...……然もそれはさほど見劣りのしない出来であった...
山本周五郎 「日本婦道記」
...そうすれば一切の事実が何等の不自然も無しに……」「……チョット待って下さい」と健策は片手をあげた...
夢野久作 「復讐」
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