...その藝のない無骨な點に惚れ込んで...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...これは一体私共が当然受けなければならぬ運命でしょうか……」野口は無骨な手で涙を拭っては訴えつづけた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...城壁のような無骨な壁と銃眼のような窓の並んでいるその単調な眺めの中に...
高浜虚子 「丸の内」
...その無骨な容貌だけでも目立つのに...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...吾人はこれを聞く古(いにしえ)無骨なる武士あり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...私はその無骨なお坊さんの様子が...
豊島与志雄 「或る女の手記」
...彼が頭を掻きながら無骨な...
南部修太郎 「S中尉の話」
...無骨な窓枠がはまっていた窓は...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...村長が太い無骨な指を突つこんでゐるあひだは...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...あの無骨な男が、映画女優のアドマイヤラー〔恋人、求婚者〕だなんて、可愛いとこがあるね...
平林初之輔 「アパートの殺人」
...無骨な、それでも優しい暢やかな円天井を持った籠の中で、小鳥等は崩れる薔薇の響をきき乍ら、暖かい夢を結ぶようになった...
宮本百合子 「餌」
...「――柳瀬が出ていた筈だ……」「私は元来美術家同盟では知らない人ばっかりだから分らない」清水は無骨な指でひろげた号外をたたきながら云った...
宮本百合子 「刻々」
...無骨な動作で盆踊りの手附きをする...
三好十郎 「おりき」
...だから兀峰の句はやや附き過ぎた嫌いもあるが、無骨な古武士の、殊に物いうことが下手(へた)になって、戴いたかわらけの酒も飲み得ないで、悲喜感激する光景はよく描かれている...
柳田国男 「木綿以前の事」
...バックにはわからない妙な無骨な感歎詞を連発した...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...無骨な矢代のことだからまごまごすると困るというので...
横光利一 「旅愁」
...この通りの無骨な男じゃあるが...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「真珠の首飾り」
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