...遠く聞きながら無難に過ぎることが出来た...   
石井研堂  「東京市騒擾中の釣」 
...其風采や質樸無難にして具(つぶ)さに平凡の極致に達し...   
石川啄木  「雲は天才である」 
...雜り氣の無い快活なわざとらしくなく飛び出し出た聲は清い空氣の中にそのまゝ無難に消えて行きその姿はまるで星のやうに美くしい星も側へ行つて見たらあんなに青白く...   
千家元麿  「自分は見た」 
...櫂を備ふる船舶に無難に歸らしめ給へ』ヂオメーデース...   
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」 
...男は灰色のダーク・スーツを無難に着こなし...   
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「土色の顔」 
...割合簡単な社会現象として無難に片づけられることが出来て来ているのである...   
戸坂潤  「技術の哲学」 
...これは海軍側から苦情が出たのが一応無難におさまった...   
戸坂潤  「現代日本の思想対立」 
...閣下は二億五千四百萬圓の大豫算を無難に通過したるを以て十分の欣榮とする所なる可し...   
鳥谷部春汀  「明治人物月旦(抄)」 
...初(はじま)りの進行曲だけは何(ど)うやら無難に行きながら...   
永井荷風  「新歸朝者日記」 
...三十三そうして南都北嶺の訴えは次第に止まり専修念仏の興行は無難に進んでいったようなものの...   
中里介山  「法然行伝」 
...ようやく無難に通り越した...   
夏目漱石  「思い出す事など」 
...鞍壺(くらつぼ)にたまらず落ちたが最後無難にこの関を踰(こ)ゆる事は出来ぬ...   
夏目漱石  「幻影の盾」 
...強力な法という武器を無難に発動すれば話は別だが...   
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」 
...自ら先導して闇夜を無難に連れ帰ったので...   
南方熊楠  「十二支考」 
...清水の舞台から傘さして飛ぶように無難に飛び下るばかりで...   
南方熊楠  「十二支考」 
...この靴を逆さまに履(は)いて追う者の眼をごまかし無難に逃げ果(おお)せるという事よくあるやつで...   
南方熊楠  「十二支考」 
...きわめて無難に得た韵字を告げた...   
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」 
...やはり眼前の問題――この危地をどうして無難に三河まで切り抜けて通ろうか――のほうが...   
吉川英治  「新書太閤記」 
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