...其風采や質樸無難にして具(つぶ)さに平凡の極致に達し...
石川啄木 「雲は天才である」
...最初から無難に通れさうに見えた...
石川啄木 「第十八號室より」
...無難に持出した帳場デスクの前に重役連が集まっていた...
内田魯庵 「灰燼十万巻」
...電車通りも無難に越して...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...第一の懸念だったこの急カーヴを無難に通過したので...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「十時五十分の急行」
...櫂を備ふる船舶に無難に歸らしめ給へ』ヂオメーデース...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...割合簡単な社会現象として無難に片づけられることが出来て来ているのである...
戸坂潤 「技術の哲学」
...これは海軍側から苦情が出たのが一応無難におさまった...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...閣下は二億五千四百万円の大予算を無難に通過したるを以て十分の欣栄とする所なる可し...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...何かと無難に物語りをしているうちに...
中里介山 「大菩薩峠」
...ようやく無難に通り越した...
夏目漱石 「思い出す事など」
...強力な法という武器を無難に発動すれば話は別だが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...これを腕に付くれば思い次第の所へ往きて無難に還るを得...
南方熊楠 「十二支考」
...自ら先導して闇夜を無難に連れ帰ったので...
南方熊楠 「十二支考」
...この靴を逆さまに履(は)いて追う者の眼をごまかし無難に逃げ果(おお)せるという事よくあるやつで...
南方熊楠 「十二支考」
...大抵の人間には無難にし遂げにくいには違ない...
森鴎外 「独身」
...母が立ち去った跡で忍藻は例の匕首(あいくち)を手に取り上げて抜き離し、しばらくは氷の光をみつめてきっとした風情であったが、またその下からすぐに溜息が出た,「匕首、この匕首……さきにも母上が仰せられたごとくあの刀禰の記念(かたみ)じゃが……さてもこれを見ればいとどなお……そも刀禰たちは鎌倉まで行き着かれたか、無難に...
山田美妙 「武蔵野」
...無難に通行は難しい」という報告があり...
吉川英治 「黒田如水」
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