...其風采や質樸無難にして具(つぶ)さに平凡の極致に達し...
石川啄木 「雲は天才である」
...無難に持出した帳場デスクの前に重役連が集まっていた...
内田魯庵 「灰燼十万巻」
...無難に家族のところへかへつて来ました...
鈴木三重吉 「勇士ウ※[#小書き片仮名ヲ]ルター(実話)」
...雜り氣の無い快活なわざとらしくなく飛び出し出た聲は清い空氣の中にそのまゝ無難に消えて行きその姿はまるで星のやうに美くしい星も側へ行つて見たらあんなに青白く...
千家元麿 「自分は見た」
...第一の懸念だったこの急カーヴを無難に通過したので...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「十時五十分の急行」
...櫂を備ふる船舶に無難に歸らしめ給へ』ヂオメーデース...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...閣下は二億五千四百萬圓の大豫算を無難に通過したるを以て十分の欣榮とする所なる可し...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...初(はじま)りの進行曲だけは何(ど)うやら無難に行きながら...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...何かと無難に物語りをしているうちに...
中里介山 「大菩薩峠」
...強力な法という武器を無難に発動すれば話は別だが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...これを腕に付くれば思い次第の所へ往きて無難に還るを得...
南方熊楠 「十二支考」
...自ら先導して闇夜を無難に連れ帰ったので...
南方熊楠 「十二支考」
...清水の舞台から傘さして飛ぶように無難に飛び下るばかりで...
南方熊楠 「十二支考」
...きわめて無難に得た韵字を告げた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...母が立ち去った跡で忍藻は例の匕首(あいくち)を手に取り上げて抜き離し、しばらくは氷の光をみつめてきっとした風情であったが、またその下からすぐに溜息が出た,「匕首、この匕首……さきにも母上が仰せられたごとくあの刀禰の記念(かたみ)じゃが……さてもこれを見ればいとどなお……そも刀禰たちは鎌倉まで行き着かれたか、無難に...
山田美妙 「武蔵野」
...無難に通れようとは考えられぬ...
吉川英治 「新書太閤記」
...この板敷山の嶮(けん)を無難に通って行ったか?弁円を初め...
吉川英治 「親鸞」
...この山街道から無難に出ることは恐らくできまい...
吉川英治 「宮本武蔵」
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