...其風采や質樸無難にして具さに平凡の極致に達し...
石川啄木 「雲は天才である」
...最初から無難に通れさうに見えた...
石川啄木 「第十八號室より」
...無難に家族のところへかへつて来ました...
鈴木三重吉 「勇士ウ※[#小書き片仮名ヲ]ルター(実話)」
...櫂を備ふる船舶に無難に歸らしめ給へ』ヂオメーデース...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...閣下は二億五千四百萬圓の大豫算を無難に通過したるを以て十分の欣榮とする所なる可し...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...米友の独力で無難に進んだが...
中里介山 「大菩薩峠」
...何かと無難に物語りをしているうちに...
中里介山 「大菩薩峠」
...ようやく無難に通り越した...
夏目漱石 「思い出す事など」
...今しも余の自転車は「ラヴェンダー」坂を無難に通り抜けて...
夏目漱石 「自転車日記」
...ようやくそれを追払って五六枚無難に通過したかと思うと...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...その翌日もまたその翌日も無難に経(へ)たことは...
新渡戸稲造 「自警録」
...強力な法という武器を無難に発動すれば話は別だが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...清水の舞台から傘さして飛ぶように無難に飛び下るばかりで...
南方熊楠 「十二支考」
...母が立ち去った跡で忍藻は例の匕首(あいくち)を手に取り上げて抜き離し、しばらくは氷の光をみつめてきっとした風情であったが、またその下からすぐに溜息が出た,「匕首、この匕首……さきにも母上が仰せられたごとくあの刀禰の記念(かたみ)じゃが……さてもこれを見ればいとどなお……そも刀禰たちは鎌倉まで行き着かれたか、無難に...
山田美妙 「武蔵野」
...無難に燒け殘つてゐた...
吉川英治 「折々の記」
...この板敷山の嶮(けん)を無難に通って行ったか?弁円を初め...
吉川英治 「親鸞」
...この山街道から無難に出ることは恐らくできまい...
吉川英治 「宮本武蔵」
...この言葉で無難に切り抜けたように見えた...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「青蠅」
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