...電車通りも無難に越して...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...割合簡単な社会現象として無難に片づけられることが出来て来ているのである...
戸坂潤 「技術の哲学」
...これは海軍側から苦情が出たのが一応無難におさまった...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...閣下は二億五千四百万円の大予算を無難に通過したるを以て十分の欣栄とする所なる可し...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...米友の独力で無難に進んだが...
中里介山 「大菩薩峠」
...三十三そうして南都北嶺の訴えは次第に止まり専修念仏の興行は無難に進んでいったようなものの...
中里介山 「法然行伝」
...鞍壺(くらつぼ)にたまらず落ちたが最後無難にこの関を踰(こ)ゆる事は出来ぬ...
夏目漱石 「幻影の盾」
...その翌日もまたその翌日も無難に経(へ)たことは...
新渡戸稲造 「自警録」
...強力な法という武器を無難に発動すれば話は別だが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...これを腕に付くれば思い次第の所へ往きて無難に還るを得...
南方熊楠 「十二支考」
...清水の舞台から傘さして飛ぶように無難に飛び下るばかりで...
南方熊楠 「十二支考」
...この靴を逆さまに履(は)いて追う者の眼をごまかし無難に逃げ果(おお)せるという事よくあるやつで...
南方熊楠 「十二支考」
...きわめて無難に得た韵字を告げた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...母が立ち去った跡で忍藻は例の匕首(あいくち)を手に取り上げて抜き離し、しばらくは氷の光をみつめてきっとした風情であったが、またその下からすぐに溜息が出た,「匕首、この匕首……さきにも母上が仰せられたごとくあの刀禰の記念(かたみ)じゃが……さてもこれを見ればいとどなお……そも刀禰たちは鎌倉まで行き着かれたか、無難に...
山田美妙 「武蔵野」
...無難に通行は難しい」という報告があり...
吉川英治 「黒田如水」
...やはり眼前の問題――この危地をどうして無難に三河まで切り抜けて通ろうか――のほうが...
吉川英治 「新書太閤記」
...無難にすもうとも思われない...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...この板敷山の嶮(けん)を無難に通って行ったか?弁円を初め...
吉川英治 「親鸞」
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