...相州無銘(そうしゅうむめい)の長脇差(ながわきざし)をさし...
芥川龍之介 「伝吉の敵打ち」
...棚田判事の傍らに落ちていた刀は、刃渡り一尺八寸六分、無銘ではあるが、山城国(やましろのくに)京来派の名工、来国光(らいくにみつ)の作と伝えられ、同じく血を浴びて、井沢判事の屍体の下に落ちていた刀も、備前一文字吉房(びぜんいちもんじよしふさ)の作、一尺八寸六分の業物(わざもの)であり、両氏の無数の刀傷、またこの二つの刀身に血ぬられた、人間の膏(あぶら)、血痕(けっこん)等によって判断するに、両氏はいずれもこの名刀を振るって、凄惨にも死に至るまで決闘を続けたものと考えられている...
橘外男 「棚田裁判長の怪死」
...それは來國俊(らいくにとし)と稱する二尺八寸の大業物、無銘であつたが、二つ胴も試したといふ、見るからに物凄い代物でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...かかる無銘のものは...
柳宗悦 「雲石紀行」
...無銘のものは放置される...
柳宗悦 「工藝の道」
...それも無銘がよいという彼らの智慧によったのではない...
柳宗悦 「工藝の道」
...無銘の作にはなおさら美しさがあると...
柳宗悦 「工藝の道」
...無銘のものは今愛を受けない...
柳宗悦 「工藝の道」
...彼が熱愛した中世代の作のように無銘なものでもなくまた民衆の手から作らるるものでもなかった...
柳宗悦 「工藝の道」
...かかる無銘な、安い、たくさんある、普通のものにかえって美が宿るということに私は驚くべき摂理を感じている...
柳宗悦 「工藝の道」
...主としてかかる無銘品であったことを忘れてはならぬ...
柳宗悦 「工藝の道」
...無銘陶においてはよし選び残されたものの中にも...
柳宗悦 「工藝の道」
...かえって無銘品の中に多いことを如実に立証するものでした...
柳宗悦 「日本民藝館について」
...その一切が無銘品なのに気附かれるでしょう...
柳宗悦 「日本民藝館について」
...真に美しいほとんどすべての作は無銘品なのです...
柳宗悦 「民藝とは何か」
...それ故人々は無銘品の価値をもっと見直さねばなりません...
柳宗悦 「民藝の性質」
...月光を吸いきった三尺たらず無銘のわざ刀(もの)...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...仕官以後は遠慮して差さなかった例の無銘(むめい)――しかし肥前長光(ひぜんながみつ)ともいわれている――愛刀物干竿(ものほしざお)を...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索