...それから客室で手が鳴ると「はいー」と無造作な鋭い聲をして...
高濱虚子 「續俳諧師」
...余り無造作なので...
高浜虚子 「丸の内」
...無造作な浴衣(ゆかた)の着流しでもあったので...
徳田秋声 「仮装人物」
...『なんという無造作なこったろう』とわたしは何かのついでにこう考えた...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...無造作な身扮(みなり)と磊落(らいらく)な物言ひが特徴で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...臭いものを見棄てるような無造作な態度で退(ど)いた未来の良人(おっと)の後姿を追って...
野村胡堂 「判官三郎の正体」
...ここにはかくの如き無造作な形式論理的處理を許さぬ重要な問題が宿つてゐる...
波多野精一 「時と永遠」
...それが無造作な彼の覚悟であつた...
平出修 「逆徒」
...わざとさり気なささうに無造作な行ひを執るのであつたが...
牧野信一 「裸虫抄」
...まだ少年と言ってもよいほどの頬をした、スッキリと明るい若者で、ズボンに巻脚絆に靴、あまり大きくないリュックサックにピッケルと言った、無造作な、だがしっかりした山歩きの装具...
三好十郎 「おりき」
...ああ ひさしくも これを追ふにつかれたこころ一群のぶよいち群のぶよが 舞ふ 秋の落日(ああ わたしも いけないんだ他人(ひと)も いけないんだ)まやまやまやとぶよが くるめく(吐息ばかりして くらすわたしなら死んぢまつたほうが いいのかしら)鉛と ちようちよ鉛(なまり)のなかをちようちよが とんでゆく花になりたいえんぜるになりたい花になりたい無造作な 雲無造作な くも...
八木重吉 「秋の瞳」
...無造作な所が品物に力を与え景色を添える...
柳宗悦 「現在の日本民窯」
...無造作な雑器であったことをゆめ忘れてはならない...
柳宗悦 「民藝四十年」
...それはこのように無造作なる示威運動に脅かされて...
柳田国男 「山の人生」
...無造作なぞいう性格は極度にまで洗練されて...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...それにしても実に暢気そうに見える無造作な南が...
横光利一 「旅愁」
...東野は二人の間に対峙し合う秘かなものには気附かぬらしい無造作な様子で...
横光利一 「旅愁」
...無造作な兵庫くずしに束ねた根元を南京(ナンキン)渡りの翡翠(ひすい)で止めた...
吉川英治 「剣難女難」
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