...無我夢中で、二三丁ばかり、走るように歩いて、彼女はやっと電柱の蔭に足を停めた...
海野十三 「鬼仏洞事件」
...何が何やら無我夢中で引っ張り出されて来ましたんで...
谷崎潤一郎 「細雪」
...奴はついにあの剃刀を引っ掴んだ――いかにもそれは無我夢中ではあったろうが...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...その後はもう無我夢中で...
豊島与志雄 「土地に還る」
...それだのに自分の娘に見つけられて居るのも知らず無我夢中で乳繰り合ひ...
永井荷風 「来訪者」
...自分も世俗の人々と同じく、その瞬間までは、無我夢中で、大きなものの中における自分の位置などは全然悟らずに、あくせくと世事に心を煩わして過ごし、(いや、その途中で、一度か二度位は、雑鬧(ざっとう)の中で立止って思索する男のように、ひょいと自己の真の位置に気付くこともあるかも知れない...
中島敦 「狼疾記」
...あたかも天狗(てんぐ)にさらわれた男のように無我夢中で飛びついて行くのです...
夏目漱石 「現代日本の開化」
...しかしその他(た)の点について彼は全くの無我夢中であった...
夏目漱石 「道草」
...無我夢中で刺したのならこの男に間違いありませんが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...無我夢中でしたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...無我夢中で穴あ掘っただけだ...
三好十郎 「胎内」
...彼はただ無我夢中である...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...殆んど無我夢中であった...
夢野久作 「暗黒公使」
...きょうの通りに無我夢中で飛んで帰ったのであった...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...無我夢中で逃げまろんだ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...無我夢中で躍りだした万吉は...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...無我夢中で船内にころげこんだ...
蘭郁二郎 「地図にない島」
...無我夢中で空を飛ぶ時に...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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