...無我夢中で、二三丁ばかり、走るように歩いて、彼女はやっと電柱の蔭に足を停めた...
海野十三 「鬼仏洞事件」
...あの様に無我夢中で...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...」と声をかぎりにさけびながら、無我夢中で、枝道から枝道へとさまよい歩きました...
江戸川乱歩 「大金塊」
...謂はば正當防衞のために無我夢中であがいて...
太宰治 「お伽草紙」
...無我夢中でその日その日を送り迎えして...
太宰治 「春の枯葉」
...青年期のように無我夢中ではなく...
外村繁 「澪標」
...その後はもう無我夢中で...
豊島与志雄 「土地に還る」
...自分も世俗の人々と同じく、その瞬間までは、無我夢中で、大きなものの中における自分の位置などは全然悟らずに、あくせくと世事に心を煩わして過ごし、(いや、その途中で、一度か二度位は、雑鬧(ざっとう)の中で立止って思索する男のように、ひょいと自己の真の位置に気付くこともあるかも知れない...
中島敦 「狼疾記」
...一日を無我夢中で過ごしているのが...
中谷宇吉郎 「捨てる文化」
...無我夢中で取上げて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...いはば無我夢中で接吻したのぢや...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...ツェルトごと無我夢中で仰向けざまに雪の中を転がり廻ったのである...
松濤明 「春の遠山入り」
...無我夢中で、植物の夜はくにおいを呼吸した...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...もっと飲みなさい! え? もっと飲みなさいよ!柴田 (無我夢中で混乱して)この! きさま! プッ!欣二 ヒヒヒ...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...殆んど無我夢中であった...
夢野久作 「暗黒公使」
...無我夢中で拾いかけた...
吉川英治 「大岡越前」
...無我夢中で逃げ奔(はし)っていた...
吉川英治 「三国志」
...僕らのその時代は無我夢中でしたな...
吉川英治 「親鸞の水脈」
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