...俄然として茲(ここ)に無我の境に達す...
石川啄木 「閑天地」
...――お千は絶対無我の境地にあるような姿勢をしていた...
海野十三 「棺桶の花嫁」
...自分で無我の境に入つて行くから...
海野十三 「心靈研究會の怪」
...靈媒が無我の境に入ると呻り聲を發する...
海野十三 「心靈研究會の怪」
...彼女は無我の境に入ることが出來なかつた...
海野十三 「心靈研究會の怪」
...靈媒女は指導者を必要とせず自分で無我の境にはいれた...
海野十三 「心靈研究會の怪」
...やわらかい霊光の無我の境地に浸って...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...ついに無我の境地にはいりこむことにあったという...
太宰治 「ロマネスク」
...無我の境に入りうる機会も少なくないようである...
寺田寅彦 「科学者と芸術家」
...善悪美醜を超越して無私無我の境地に身を置くことは...
豊島与志雄 「性格批判の問題」
...生涯(しょうがい)に一度も無我の境界に点頭し...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...無我の境に筆をとる時の...
長谷川時雨 「樋口一葉」
...無我の境で戯れているうち...
火野葦平 「花と龍」
...かうして彼は無我の境地に(多田君は私にさう言つた)没入し...
北條民雄 「戯画」
...しばしば恍惚無我の境に入り...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...やはり無我の境地から...
吉川英治 「宮本武蔵」
...要するに吾人は肉体を超越して宇宙の悲哀に恍惚たる心霊が雄壮に触れ真を憧憬し義に熱し愛に酔いて無我の境に入る時高潮に達する...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
...芸術は吾人を瑣細なる世事より救いて無我の境に達せしめる...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
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