...こんな無慈悲な母親があるでせうか...
伊藤野枝 「書簡 大杉栄宛」
...そのために私が無慈悲な家庭破壊をするものとは思われたくなかったのです...
伊藤野枝 「「別居」について」
...残酷無慈悲なる者は容赦なく審判かるるのである...
内村鑑三 「聖書の読方」
...秋から冬にかけて度々おとづれて来る無慈悲な横なぐりの雨風に...
薄田泣菫 「独楽園」
...その病気をなおしてくれる唯一の君はそうやって僕を突っ放す! そういう無慈悲なことを言うのなら...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...斯様な無慈悲な仕方をなされて諸人の憎しみをお受けになっては...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...今更その嫁を追ひ出さうと云ふのは無慈悲な話で...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...客観的公正、憎悪と共感の一致、無慈悲な同情、これが風刺の精神であるが、それが又一般に批評の精神でもあるのである...
戸坂潤 「思想としての文学」
...徒刑場の柱と鉄鎖と緑の帽子と絶えざる労働と無慈悲な屈辱とにも...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...年とともにその無慈悲な貞節はつのるばかりだった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...それは無慈悲なほど強力な動かし得ないものである...
中谷宇吉郎 「硝子を破る者」
...それは穏やかな仮面の下に隠されていた本性を現した徒刑囚の姿が冷酷無慈悲なものとなったからであった...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...無慈悲な肱(ひじ)や拳(こぶし)で突きまくられながら...
久生十蘭 「あなたも私も」
...ルイ・シャルルにそういう無慈悲な呵責を加えられていようなどと思いもしなかったが...
久生十蘭 「カストリ侯実録」
...私のおののいている魂はあの無慈悲なおそれに圧倒される...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「早すぎる埋葬」
...悪魔よりももっと無慈悲な女で御座いました...
夢野久作 「白髪小僧」
...こんな無慈悲な心で建てたる...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...暴戻無慈悲なものであるから...
吉川英治 「美しい日本の歴史」
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