...ついては、万一の場合に備える為に、警視庁の援助を願いたいという申出でだ」刑事部長は、極めて無感動な、事務的な調子で、説明を続けた...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...エエ承知しましたと、そこにいる人にいっておくれ、その代り茂ちゃんは、きっと、間違いなく、返して下さいって」それに答えて、受話器からは、まるで無感動な、暗誦(あんしょう)でもする様な、たどたどしい子供の声が聞こえて来た...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...それをあの無感動な調子で喋らせた...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...無感動な調子の大きな声で答えるのだった...
徳永直 「冬枯れ」
...三吉はまるで無感動な調子にそのことを話しかけると「やつぱりさうだつたのねえ」予期してゐたもののやうに...
中村地平 「悪夢」
...「なにをいってるんだ、こいつ」小さな、円い眼をした貧相な男が、無感動な声で、こたえた...
久生十蘭 「キャラコさん」
...冷然と自分を眺めている山下氏の無感動なようすが...
久生十蘭 「キャラコさん」
...はッといって無感動な顔で殺しに出て行く...
久生十蘭 「ノア」
...この時には死体らしいものを見掛けておらないからであります」真名古は無感動な様子で...
久生十蘭 「魔都」
...コルビンスキーが無感動な顔つきで中央執行委員会の宣告書(コルビンスキーとゴロショゥキンとが勝手に作成したもの)を取りだすと...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...無感動な調子で「何ですか?」と訊きかえした...
平林初之輔 「犠牲者」
...私という人物が「無感動なのではない...
宮本百合子 「観念性と抒情性」
...心からそれをたのしみにしていた」無感動な口ぶりで話し続けながら...
山本周五郎 「あだこ」
...「こんな時刻に済まない」と主計は無感動な声で云った...
山本周五郎 「古今集巻之五」
...無感動な秀之進のぜんたいからなにものかを読みとった...
山本周五郎 「新潮記」
...それは毎(いつ)もの愚かしい無感動な笑い方である...
山本周五郎 「日本婦道記」
...無感動な調子で使いの用向を訊いた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...ともすると無感動な静かな表情になるのだった...
横光利一 「旅愁」
便利!手書き漢字入力検索