...俺の女房というのは至極無感動な女で...
梅崎春生 「蜆」
...彼は眼を見開くと無感動な顔付でしきりと四周(あたり)を見廻した...
梅崎春生 「日の果て」
...ついては、万一の場合に備える為に、警視庁の援助を願いたいという申出でだ」刑事部長は、極めて無感動な、事務的な調子で、説明を続けた...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...異様に無感動な口調で...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...中折帽の庇下(ひさしした)からチラチラ光っている無感動な冷たい眼や...
徳永直 「冬枯れ」
...無感動な態度を装う...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...「なにをいってるんだ、こいつ」小さな、円い眼をした貧相な男が、無感動な声で、こたえた...
久生十蘭 「キャラコさん」
...それに釦のこともあるし……」久我はひどく無感動な顔つきで...
久生十蘭 「金狼」
...だらしなく銃を担いだ、脾弱(ひよわ)そうな中年の兵隊や老兵が、無感動な、そのくせどこかシニックな影のある顔つきで、小隊長らしい将校のあとからゾロゾロ谷間へ降りて来、それぞれの営舎へ入ると、なにをする気力もないように寝ころがって午睡をはじめた...
久生十蘭 「ノア」
...コルビンスキーが無感動な顔つきで中央執行委員会の宣告書(コルビンスキーとゴロショゥキンとが勝手に作成したもの)を取りだすと...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...無感動な調子で「何ですか?」と訊きかえした...
平林初之輔 「犠牲者」
...戦争の悲惨と平和への希望を無感動な念仏として抱いている文化的スノッブを予想して描かれた思いつきの平俗なパノラマだ...
三好十郎 「絵画について」
...無感動な調子で語りだした...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...心からそれをたのしみにしていた」無感動な口ぶりで話し続けながら...
山本周五郎 「あだこ」
...たんねんに繰り返してみた」主計は無感動な眼で...
山本周五郎 「古今集巻之五」
...無感動な秀之進のぜんたいからなにものかを読みとった...
山本周五郎 「新潮記」
...それは毎(いつ)もの愚かしい無感動な笑い方である...
山本周五郎 「日本婦道記」
...都会の文明の片鱗を見せたような無感動な眼を向けられた時だけでした...
和辻哲郎 「土下座」
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