...彼は眼を見開くと無感動な顔付でしきりと四周(あたり)を見廻した...
梅崎春生 「日の果て」
...ついては、万一の場合に備える為に、警視庁の援助を願いたいという申出でだ」刑事部長は、極めて無感動な、事務的な調子で、説明を続けた...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...田中はそれには無感動な様子で黙っていた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...無感動な表情のまま深い関心を見せて道をひらいた...
壺井栄 「二十四の瞳」
...無感動な調子の大きな声で答えるのだった...
徳永直 「冬枯れ」
...三吉はまるで無感動な調子にそのことを話しかけると「やつぱりさうだつたのねえ」予期してゐたもののやうに...
中村地平 「悪夢」
...無感動な態度を装う...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...それに釦のこともあるし……」久我はひどく無感動な顔つきで...
久生十蘭 「金狼」
...無感動な、沈鬱な物腰...
久生十蘭 「地底獣国」
...この時には死体らしいものを見掛けておらないからであります」真名古は無感動な様子で...
久生十蘭 「魔都」
...無感動な調子で「何ですか?」と訊きかえした...
平林初之輔 「犠牲者」
...私という人物が「無感動なのではない...
宮本百合子 「観念性と抒情性」
...戦争の悲惨と平和への希望を無感動な念仏として抱いている文化的スノッブを予想して描かれた思いつきの平俗なパノラマだ...
三好十郎 「絵画について」
...無感動な調子で語りだした...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...「こんな時刻に済まない」と主計は無感動な声で云った...
山本周五郎 「古今集巻之五」
...たんねんに繰り返してみた」主計は無感動な眼で...
山本周五郎 「古今集巻之五」
...無感動なようすは...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...同時に彼は自身の無感動な胸の中の洞穴を意識した...
横光利一 「上海」
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