...わざわざ無愛想な主人に「お上(かみ)さんは?」と尋ねる心もちにもならない...
芥川龍之介 「あばばばば」
...無愛想な屠手は手数料を受け取るや...
伊藤左千夫 「去年」
...どう返辭をしたものかと無愛想なお徳の顏と汚ないお若の顏とを見較べてゐた時廊下に急がしい足音が聞えたと思ふと他の女中の聲で「お徳さん...
高濱虚子 「俳諧師」
...無愛想な眼(め)でわたしをじろりと見ると...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...」と車掌が無愛想な独(ひと)り言(ごと)のように言った...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...なんだかいっこうに無愛想な調子だった...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...少し逞(たく)ましい無愛想な小三郎に比べて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...世の中には無愛想な人間もあるものだが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ブツ切ら棒で無愛想な癖に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何てまあ無愛想な恐ろしい顔をしてるんだい...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...盃を取り上げると無愛想なようすで無言のまま幸田の方へ差し出す...
久生十蘭 「魔都」
...併し彼は犬のパイロットよりも無愛想な樣子であつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...お前が何かあの方に無愛想なことでもなさりはすまいかと...
堀辰雄 「楡の家」
...無愛想な男が重々しく答えた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...「おい、お初つぁん」寝すがたが、少し動いて、無愛想な声で、「何だねえ――人が、折角(せっかく)寝ついたところを――もう冬になっているんだよ、火の気のねえところで、煎餅蒲団(せんべいぶとん)――寒くって、一度覚めたら、なかなか寝られやしねえんだよ」「だからよ、寝酒を持って来てやったんだな」法印は、ひどく下手(したで)だ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...それに今晩とはあまり御無愛想なことになりませんかと私たちは存じます...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...一流のホテルらしい上等ずくめの……同時に鉄道のホテルに共通ともいうべき無愛想な感じのする家具や...
夢野久作 「暗黒公使」
...困るな」無愛想な私は...
夢野久作 「眼を開く」
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