...けれどそれはまだほんの子供の小さな頭でうそと云ふものは本当のことを云つて叱られると云ふやうな場合にたゞその叱責をのがれる為めに吐くといふ――しかもそれは子供にとつてはしかられるやうな事を仕出かしてもその仕出かした動機は自分でも正しいと得心が出来る事なのでそれを叱られないやうに嘘をつくと云ふことが別に悪いことではないと無意識に思ひ込んてしまふのだ...
伊藤野枝 「嘘言と云ふことに就いての追想」
...あの総(ふさ)のような四隅の糸の一つを無意識に指先でもてあそび...
太宰治 「人間失格」
...その間無意識に中込礼子礼子と書いているうちに...
橘外男 「仁王門」
...ただ普遍な適用性をもつ力学が無意識に合目的に応用されているだけであろうと思われる...
寺田寅彦 「映画雑感(3[#「3」はローマ数字、1-13-23])」
...死の意味を現わす言葉を無意識に呟いた...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...無意識に刀を斜にして...
直木三十五 「南国太平記」
...意識的にせよ無意識にせよ...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...彼女の方を無意識に見ると彼女も僕の方をじつと見てゐるんだ...
北條民雄 「戯画」
...無意識に自分を対手に比較するもので...
水野仙子 「散歩」
...真個の女性が無意識に流露させる女らしさが...
宮本百合子 「気むずかしやの見物」
...無意識に血だらけの左手を空に一杯にひらき...
三好十郎 「その人を知らず」
...ユックリと無意識に歩く...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...それが無意識に彼等の Why So Stories の傾向を指定したのである...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...無意識に溜息をついたり呻(うめ)きごえをあげたりした...
山本周五郎 「つばくろ」
...無意識に主君の身を庇(かば)った...
吉川英治 「上杉謙信」
...無意識に小姓の手から槍を取っていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...伊織のひとみへ無意識にぐっと上がった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...無意識に働いたものらしかった...
蘭郁二郎 「鱗粉」
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