...盲動より來る僥倖を期待せざるは内面的必然によつて作り出されざる遭逢(エルフアールング)の遂に無意味に過ぎないことを知つてゐるからである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...その時は無意味に響いても...
林不忘 「安重根」
...これに反して荷車を挽(ひ)く労働者には道路の小凹凸は無意味にあらず...
寺田寅彦 「自然現象の予報」
...人種を区別するのもずいぶん無意味に近い分類である...
寺田寅彦 「日本人の自然観」
...この無心の子供のこの非凡な註説(リマーク)を無意味には聞き逃す事が出来なかった...
寺田寅彦 「鑢屑」
...之なくしては文芸に於けるスタイルなどは無意味になるし...
戸坂潤 「映画芸術と映画」
...AはBに依存することとなって之は無意味に終って了う...
戸坂潤 「幾何学と空間」
...人類の哲学から関心を閉め出そうというこの努力は殆んど無意味に終るだろう...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...「普通物理学書にある質量の定義は無意味に近いものが多いから誰でも腑に落ちかねる」のである...
中谷宇吉郎 「救われた稀本」
...「御嫁には行かない」とほとんど無意味に繰り返した宗近君は...
夏目漱石 「虞美人草」
...俵に詰めた大豆(だいず)の一粒のごとく無意味に見える...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...僕は君と違って飽(あ)くまでもこの余裕に感謝しなければならないんだ」「飽くまでも僕の注意を無意味にして見せるという気なんだね」「正直のところを云えば...
夏目漱石 「明暗」
...無意味に思われたのは当然だった...
萩原朔太郎 「老年と人生」
...そうしてその表紙を無意味に見ている...
堀辰雄 「三つの挿話」
...しかも毎日をまるで無意味に塗りつぶしてゐるのだ...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...窓越しに辷(すべ)って行く銀座の、美しい小雨の中のネオンサインを見流して行くうちに、現在、何が何だかわからないままに、無意味に、止め度もなく面喰らわされているに違いない私自身を、グングンと痛切に自覚し始めたのであった...
夢野久作 「少女地獄」
...無意味に並んでいるだけの状態だったからね...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...彼が著しく「神」のことに執着する所などはほとんど無意味に感ぜられるに相違ない...
和辻哲郎 「「自然」を深めよ」
便利!手書き漢字入力検索