...無情なほど礼儀正しい付きそい役はまたとないのである...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「幽霊花婿」
...わが心神の前に深く謙(へりく)だるに至って無情なる友をも...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...「お前は世にも無情な奴だな...
スティーヴンスン 佐藤緑葉訳 「帽子箱の話」
...そういう無情な態度に...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...かの爛漫(らんまん)たる桜花と無情なる土塀と人目を忍ぶ少年と艶書(えんしょ)を手にする少女と...
永井荷風 「江戸芸術論」
...無情な顔つきで撃鉄(ひきがね)をひいた...
久生十蘭 「地底獣国」
...冷淡無情なる法律においても深く咎(とが)むる所なれども...
福沢諭吉 「日本男子論」
...また殘忍な無情な眼をしてゐた――それが私にリード夫人の眼を思ひ起させた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...暗い無情な恐慌ばかりであつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...「あんな無情な恨めしい人はないと私は思って...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...源氏は大将を無情な男に思われてならなかった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...新婚の良人(おっと)としていえばきわめて無情な態度である...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...口実を作っていつまでもお応じにならないのも無情なことですよ...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...無情なふうをなさるではありませんか」こう薫に恨まれても夫人は返辞をする気にもならないで...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...酷い鑿や無情な槌(つち)がお前の体を少しずつ破壊し始める日はもう遠くはないのだ...
柳宗悦 「民藝四十年」
...あによめがまたひどく無情なのである...
山本周五郎 「七日七夜」
...そしてその種族は過度に繁殖したので、住み切れぬほどに數を増したので、その時、盲目な、無情な母は、自然の母は、此の過剩な小鳥の群を、或る一時代の人間に對してすると同じ冷淡さで、一吹きの風で、追ひ立てたのであつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...「絶望」に面して立つ雄々しき労働者は無情なる世人を見て憤怒の念を起こす...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
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