...ちっとも無情な事はありますまい...
泉鏡花 「婦系図」
...ガラスの様に無情な目を...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...無情な慈悲の神「死」をば種々の名前であがめて来た...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...2461.彼は彼自身の兄弟の家族を滅ぼさうとしたほどの冷酷無情な男であつた...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...もう帰つて呉れても好い」との無情な言草には...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...無一文になった彼女を少しも気の毒とも思わないでそのまま見棄てて行ってしまった無情な無頼漢である...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...生みの親の無情なことを語り聞かせた...
徳田秋声 「あらくれ」
...かの爛漫(らんまん)たる桜花と無情なる土塀と人目を忍ぶ少年と艶書(えんしょ)を手にする少女と...
永井荷風 「江戸芸術論」
...無情な太陽がじりじりと筏の上に直射していた...
久生十蘭 「海難記」
...そういう無情な行を夜明けまでやる...
久生十蘭 「新西遊記」
...無情な顔で天井を見あげたり庭のほうを眺めたりしている...
久生十蘭 「だいこん」
...コン吉はこの酷薄無情な氷の璧を見あげていたが...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...子を取扱うの無情なること鬼の如く蛇の如く...
福沢諭吉 「教育の事」
...彼の無情な忍耐づよさを嘲った...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「琴」
...無情なふうをなさるではありませんか」こう薫に恨まれても夫人は返辞をする気にもならないで...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...実に冷淡無情なものだよ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...とは一体なんという無慈悲無情なおことばだ...
吉川英治 「剣の四君子」
...無情な北条家(ほうじょうけ)ではおなじように...
吉川英治 「神州天馬侠」
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