...わが心神の前に深く謙(へりく)だるに至って無情なる友をも...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...そういう無情な態度に...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...無情な太陽がじりじりと筏の上に直射していた...
久生十蘭 「海難記」
...無情な顔で天井を見あげたり庭のほうを眺めたりしている...
久生十蘭 「だいこん」
...コン吉はこの酷薄無情な氷の璧を見あげていたが...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...老齢の冷酷無情な面影からは...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...子を取扱うの無情なること鬼の如く蛇の如く...
福沢諭吉 「教育の事」
...新婚の良人(おっと)としていえばきわめて無情な態度である...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...岩や木以上に無情なふうをお見せになるのは...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...足下は無情な漢(をとこ)だ...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...無情な主人も折々水位遣らずにはいられない...
森鴎外 「サフラン」
...それは水兵達が無情なからではなかつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...無情な天は、そこからあがる黒煙に、陽を潜め、月を隠し、ただ暗々(あんあん)瞑々(めいめい)、地上を酸鼻(さんび)にまかせているのみであった...
吉川英治 「三国志」
...「……無情な幕府の仕打ちよ」と...
吉川英治 「私本太平記」
...無情な北条家(ほうじょうけ)ではおなじように...
吉川英治 「神州天馬侠」
...余りに無情な秋風の声と聞えたであろう...
吉川英治 「新書太閤記」
...無情な両親(ふたおや)になっているのである...
吉川英治 「随筆 新平家」
...が――より以上、切ない、胸苦しいかたまりは、むしろ、無情な成行きを、傍観的に見送っていなければならない、後の人々に残された...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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