...佐々木の顔を見たとたんに源太は無性に腹が立つてきた...
伊丹万作 「余裕のことなど」
...ただ無性に癪(しゃく)に触った...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...莫迦だね」お島は無性に腹立しいような気がして...
徳田秋声 「あらくれ」
...無性に悲しくなったり嬉しくなったりして...
豊島与志雄 「月かげ」
...落ちなかったところが何の功名? 落ちてみたところが何の罪? たかが女一人のほだし、女というものの意気に感じてやらなかった自分がかえって大人げない! 今となってみると、無性に何だか、あの女がかわいそうだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...旦那のものだから無性に褒(ほ)めて置いたが...
中里介山 「大菩薩峠」
...ただ私はやたら無性に涙を流したばかりだ...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...彼の胸は無性に躍動した...
牧野信一 「公園へ行く道」
...はじめて見る父親を何故か無性にバツを惡がつて一向口も利かうとしなかつた...
牧野信一 「文學的自叙傳」
...はじめて見る父親を何故か無性にバツを悪がつて一向口も利かうとしなかつた...
牧野信一 「文学的自叙伝」
...稀に彼女の帰りが遅いと思ふと私は無性に吻ツとして...
牧野信一 「ランプの便り」
...「いつたい人間が、――これほど分別ざかりの一個の男の胸中が、斯んなにも間が抜けてゐて、斯んなに頼りなくて、たゞ、もう、無性に、斯んなに悲しくつていゝものかしら――そんなことで何うなる……」娘は、横を向いて欠呻を噛みころした...
牧野信一 「露路の友」
...無性に早く国境の向うへ辷り込みたくなった...
横光利一 「旅愁」
...お蝶はヨハンの無性に泣く涙が...
吉川英治 「江戸三国志」
...曹操はうなずいて、「そうあろう、予の持病は、偏頭風(へんずふう)とか申して、それが発作すると、無性に頭が痛み、数日は飲食もできなくなるのが常だ...
吉川英治 「三国志」
...かえって無性に高氏の心をあわれませてきた...
吉川英治 「私本太平記」
...わしも無性に斬り死にばかり急いで...
吉川英治 「日本名婦伝」
...人々は気ばかり無性にあせるのだった...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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