...乾いたままで唇が無性に震えた...
有島武郎 「星座」
...ただ無性にこの山茶花屋敷ばかりが頭にこびりついてはなれなかったのです...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...あゝ重右衛門がやたら無性に『マツチ一本お見舞ひ申しませうかな』と言つて人を嚇(おど)かし...
田山録弥 「田舎からの手紙」
...それでも無性に横になりたいのだろう...
外村繁 「日を愛しむ」
...その人形と老人との間にあってただもう無性にうれしかった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...無性に馬之助が憎くなつたことだらう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...無性に首を振つたことだらう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...無性に実をつけてゐて...
林芙美子 「柿の実」
...力の抜けてゐる手は無性に冷たくてぼつてりと柔い...
林芙美子 「晩菊」
...無性に痛快がったりした...
原民喜 「四五ニズム述懐」
...それが無性に重たかったが...
原民喜 「街の断片」
...無性に帰りたくなつた...
平山千代子 「お泊り」
...無性に悔やまれて來た...
堀辰雄 「ふるさとびと」
...私はときどき彼女を無性に恋しがって泣いた...
堀辰雄 「幼年時代」
...朧ろ月夜の下に奴等の姿を眺めると無性に体中が震へ出して覘ひの定つたことはありませんよ...
牧野信一 「武者窓日記」
...一旦(いったん)見切った物を取り納むるような男じゃねーぞと滅明滅多無性に力(りき)み散らし...
南方熊楠 「十二支考」
...無性にかっとしちゃって...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...彼女の指の先は処女のごとくどこでも無性につかみ廻って...
吉川英治 「新・水滸伝」
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