...自分は之を見て唯無性に心悲(うらがな)しくなつた...
石川啄木 「葬列」
...無性にがたがたと慄え出した...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...それでも無性に横になりたいのだろう...
外村繁 「日を愛しむ」
...何だか無性に癪に障って...
豊島与志雄 「溺るるもの」
...――十人も二十人もの若い男を矢鱈(やたら)無性に引付けるのは...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...力の抜けてゐる手は無性に冷たくてぼつてりと柔い...
林芙美子 「晩菊」
...絹江は彼女の居なくなったのを無性に淋しがってゐた...
原民喜 「滑走」
...金五郎は、無性に、腹が立ってたまらない...
火野葦平 「花と龍」
...痔持の療治をするように矢鱈無性に勧懲々々というは何事ぞと...
二葉亭四迷 「小説総論」
...無性に肚がたつてならなかつた...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...眠さのあまり無性に遣瀬なくなつたりして...
牧野信一 「鸚鵡のゐる部屋」
...一年一回のカタリーナ達の収入の方が断然リードするなんてことになりさうだな――ハツハツハ……」竹下は無性に痛快さうに哄笑した...
牧野信一 「南風譜」
...はじめて見る父親を何故か無性にバツを惡がつて一向口も利かうとしなかつた...
牧野信一 「文學的自叙傳」
...あそこの倅であるといふことを知られてゐる町の人に顔を見られたりするのが無性に厭で...
牧野信一 「村のストア派」
...幸吉が無性に力味返つて話してゐる醉どれらしい調子に厭でも耳を持つて行かれた...
水野仙子 「醉ひたる商人」
...何か無性に鬱懐(うっかい)を放ちたくなる...
吉川英治 「新書太閤記」
...ぱっと無性に駈け出そうとすると...
吉川英治 「宮本武蔵」
...無性に欲しくなって来たのである...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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