...あまりはつきりした二重まぶたは精神的な陰翳が感じられなく甘いばかりで無味乾燥なものである...
伊丹万作 「顔の美について」
...いわゆる案内記の無味乾燥なのに反してすぐれた文学者の自由な紀行文やあるいは鋭い科学者のまとまらない観察記は...
寺田寅彦 「案内者」
...無味乾燥な新聞を側(かたわ)らにほうりなげて...
コナンドイル 三上於莵吉訳 「入院患者」
...すべて正直な人たちはそうだが、オイレル一家の者が存在の理由としてるところのもの、そしておのれの生活を早くもこの世からの煉獄(れんごく)となしてるところのもの、すなわち強力な伝統、真正な主義、無味乾燥な義務、面白みのない労働、燥急、喧騒(けんそう)、口論、悲嘆、健全な悲観主義、そういうものの上に、実際の行為によって皮肉な拒否を投げかけんがために、ザビーネはことさらにそうしてるのだとでもいうような調子だった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼らは無味乾燥な談話に加わりに来...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...恋愛的精神生理学の無味乾燥な卑しいいつも同一な題材にたいして...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...無味乾燥な務めを...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それは妖精(ようせい)物語にたいする無味乾燥な序文のように思われた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...がそれもいかに無味乾燥な現実だろう...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...無味乾燥な新古典主義に...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...しかし今や彼は、無味乾燥な、ばかな、愚かな、無益な、自惚(うぬぼれ)の強い、いやな、無作法な、ごく醜い男としか、彼女には思われなかった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...必然的に無味乾燥な觀念論文になつてしまふ...
萩原朔太郎 「宿命」
...その無味乾燥な文章を見て...
牧野信一 「貧しき日録」
...あまりに無味乾燥なものにおちいりやすく...
牧野信一 「浪曼的月評」
...一面からいふと、無味乾燥な、極めて沒趣味な生活をしてゐるものと謂はなければならぬ...
三島霜川 「解剖室」
...無味乾燥な教科書類が面白くなく...
三島霜川 「自傳」
...子供がたかって意味も知らずに声を張りあげ無味乾燥な太鼓に追いまくられるようにしながら...
宮本百合子 「刻々」
...世界的といわれる大構想の価値もよほど無味乾燥なものになろう...
吉川英治 「三国志」
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