...自分は無口な養父と二人で藁に埋って草鞋作りをしていた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...本人はむしろ無口な...
高村光太郎 「智恵子の半生」
...父でも母でも姉のことは決して口にしませんし……元から無口な父でしたが...
橘外男 「棚田裁判長の怪死」
...無口な熊さんが、一度父と話していたのにこんな話しがあった...
徳永直 「戦争雑記」
...ふだん無口な村尾がやたらに饒舌ってるとしても...
豊島与志雄 「慾」
...お生れは北海道、お年は――あッ、それを申しては失礼だとか言いましたな」僅(わずか)に顔を挙げたのは、まだ若い割にくすんだ洋装をした婦人――いや娘と言った方がいいかも知れません――兎に角、無口な、上品な、夕顔のように淋しいところのある女性です...
野村胡堂 「死の予告」
...振り返ると、無口な源助も、その配偶(つれあひ)のお冬も、はねつ返りのお徳も、妙に氣色ばんで、平次の後ろへ詰め寄つて居るではありませんか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...端厳で無口な厳父も時々語を発してうなずいておられた...
服部之総 「加波山」
...一体に無口な性質なので...
浜尾四郎 「彼が殺したか」
...まじめで無口な恋だった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...この日本にあの内気そうな無口な青年に及ぶものはひとりもないのです...
久生十蘭 「キャラコさん」
...やがて無口なおとなしい爺やが鍵束(かぎたば)をじゃらつかせながら帰って行き...
堀辰雄 「朴の咲く頃」
...無口な変人記者で...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...無口な姉も口を添へる...
水野仙子 「白い雌鷄の行方」
...無口な、理窟ぽい青年のやうな顔をして、木挽小屋の軒で、夕暮の糠雨に霑(ぬ)れてゐた...
三好達治 「測量船」
...それにしても控え目で無口なお佐代さんがよくそんなことを母親に言ったものだ...
森鴎外 「安井夫人」
...無口な私が何時に無く多くを松江さんに向つて語つたやうであつた...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...何か無口なうちに話し合えるような画でもあれば...
吉川英治 「雪村筆「茄子図」」
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