...余は無内容なる自覺者の外剛内柔なる態度を見る時...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...無内容である...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...くらりとした不眞面目な態度でその人の無内容を胡麻化(ごまくわ)してゐるに過ぎない...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...死といふ無内容物の魔がさしてゐたのだ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...金子先生の無内容なお話をぼんやり聞いているうちに...
太宰治 「正義と微笑」
...無内容だったからでしょうよ...
太宰治 「正義と微笑」
...無内容に興が覚めた心地で...
太宰治 「人間失格」
...そうした企ては多く極めて無内容に終っているから問題ではない...
戸坂潤 「科学論」
...初めから無内容な表象に止まるだろう...
戸坂潤 「技術の哲学」
...無内容は無内容であるでも好いということである...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...夫は形式的論理の無内容性・形式性を云い表わす...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...無内容性は内容からの独立性...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...科学的精神は科学を実際に研究することを離れては無内容だという考え方も...
戸坂潤 「最近日本の科学論」
...例えば不安の文学とか(之は思想の無内容そのものを無理に内容化したものだ)...
戸坂潤 「思想としての文学」
...決して一概に空疎だとも無内容だとも云えない...
戸坂潤 「戦争ジャーナリスト論」
...すべての出来るだけの無内容と...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...現実に無内容であっても...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...人は何と自然の生きもの、謂わばけものでしょう、自分の一生が二度とないという、こんないとおしい愛惜してあまりある時間の枠に規正されている命をもちながら、ほんとにのんきに、無内容に、動物としての命の動きのままに動かされて、大ボラをふいたり、大ウソをついて威張ったりして、動物のしらない穢辱と動物のしらない立派さの間に生き死にしてゆく姿は、何と滔々たるものでしょう、その滔々ぶりに、人間万歳の声を声を(ママ)あげる人もあるわけでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
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