...かの君にあまりに無作法なりとや思はれん...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...どんな粗忽屋(そゝつかしや)でも下駄を穿いた儘で軌道(レール)に飛び込むやうな無作法な事はしない...
薄田泣菫 「茶話」
...新來の下女のお高は妙に言葉尻の上る田舍辯で時々無作法なことを言つたりぼんやりして氣の附かぬ事も多かつたが...
高濱虚子 「續俳諧師」
...そしてフーゴー・ヴォルフに至るまで、大袈裟(おおげさ)な空(から)調子や、無作法な分析や、魂の片隅(かたすみ)をも暗所に残さないという主張などのほうへ、その運動は進んでいっている...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...自ら才機があると思っている一種無作法な一人の未亡人が...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...しかし今や彼は、無味乾燥な、ばかな、愚かな、無益な、自惚(うぬぼれ)の強い、いやな、無作法な、ごく醜い男としか、彼女には思われなかった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...かりにもこんな無作法な人はひとりも無い...
中里介山 「大菩薩峠」
...この覆面の無作法なる寺見物の客はお銀様でありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...貴女の無作法な親父さんは噂では三百万持ってるくせに...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...さりとは無作法な置つぎといふが有る物か...
樋口一葉 「にごりえ」
...無作法な真似ばかりしているような手合いと再び肩を並べるということは...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...この無作法な一言によつて...
堀辰雄 「「オルジェル伯爵の舞踏會」」
...何かこの士族らに無作法なものを感じた...
本庄陸男 「石狩川」
...例へば「お前は善良なところがあるくせにそんな無作法なことをするがどうしたんだ相当の家に育つたのなら何故そんな不作法なことをするのだ」といふやうなことを云つて妻を叱るあたりから「何としても悲惨だ...
牧野信一 「海浜日誌」
...私はその人が盲目であるか無作法な人だと考える気になるに違いない...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...やや無作法な態度で...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...あとの客も無作法な人たちではなかった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...この無作法な身ごなしがわたしを狼狽(ろうばい)させたのはいうまでもない...
山本周五郎 「お繁」
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