...兼公は職人だけれど感心に人に無作法なことはしなかった...
伊藤左千夫 「姪子」
...何と云ふ無作法な記者だらうとまだお見舞の人も遠慮して得ゆかないお産室に...
伊藤野枝 「編輯室より(一九一六年一月号)」
...靴は……」若い男は無作法な坊主をこらしめるには...
薄田泣菫 「茶話」
...その姿のあまりに無作法なのに氣附いたといふやうに慌てゝあとに戻らうとした...
田山花袋 「道綱の母」
...……なんてまあ無作法な!ルカー退場...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「熊」
...わがイギリスの無作法な態度に勝る上品な外国人だと弁じ立てようと務めた...
G・K・チェスタートン G. K. Chesterton 村崎敏郎訳 「手早い奴」
...」通行人の上の方に揺り動かされてるたくさんのカサンドルやアールカンやコロンビーヌなどの道化、トルコ人から野蛮人に至るまでありとあらゆる滑稽な者、侯爵夫人をかついでるヘラクレス神、アリストファネスに目を伏せさせた巫女(みこ)のように、ラブレーにも耳を押さえさせるかと思われるばかりの無作法な女ども、麻屑(あさくず)の鬘(かつら)、薔薇色(ばらいろ)の肉襦袢(にくじゅばん)、洒落者(しゃれもの)の帽子、斜眼者(やぶにらみ)の眼鏡(めがね)、蝶になぶられてるジャノー(訳者注 滑稽愚昧な人物)の三角帽、徒歩の者らに投げつける叫び声、腰にあてた拳(こぶし)、無作法な態度、裸の肩、仮面をつけた顔、ほしいままな醜態、それから花の帽子をかぶった御者が撒(ま)き散らす無茶苦茶な悪口、そういうのがこの見世物のありさまである...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...何たる無作法な真似(まね)しなさる...
中里介山 「大菩薩峠」
...この「水祝い」がかなり無作法なものになって...
中里介山 「大菩薩峠」
...頭にまいた無作法な...
中里介山 「大菩薩峠」
...無作法な真似ばかりしているような手合いと再び肩を並べるということは...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...何かこの士族らに無作法なものを感じた...
本庄陸男 「石狩川」
...例へば「お前は善良なところがあるくせにそんな無作法なことをするがどうしたんだ相当の家に育つたのなら何故そんな不作法なことをするのだ」といふやうなことを云つて妻を叱るあたりから「何としても悲惨だ...
牧野信一 「海浜日誌」
...私はその人が盲目であるか無作法な人だと考える気になるに違いない...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...やや無作法な態度で...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...西洋風にしても日本風にしても食事法の一番無作法なるものだ...
村井弦斎 「食道楽」
...極めて無作法な態度で...
夢野久作 「暗黒公使」
...その無作法な眼でジロと帝の御気配(ごけはい)をねめすえているのであった...
吉川英治 「私本太平記」
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