...無下(むげ)に断(ことわ)ってしまうのも気の毒だと云う遠慮があった...
芥川龍之介 「路上」
...といつて男の頼みを無下(むげ)に断る訳にも往(ゆ)かなかつたので...
薄田泣菫 「茶話」
...ましてこれほど熱心に話したがっているものを無下に断るのも不本意であり...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...例の二・二六事件の主体の行動を無下に〔貶〕しめることは出来ない筈だし...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...お銀様が無下(むげ)に斥(しりぞ)けてしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...無下に恥辱を与えるも不憫(ふびん)ゆえ...
中里介山 「大菩薩峠」
...無下(むげ)に失望を味わわされることもなく...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...こんなお節介をしたって無下に腹も立てるまい...
久生十蘭 「魔都」
...無下に打ち消した...
牧野信一 「鏡地獄」
...決して無下に弱くもなく...
牧野信一 「喧嘩咄」
...無下に彼を凹ませた...
牧野信一 「木枯の吹くころ」
...無下(むげ)に斬棄てたとあっては...
夢野久作 「斬られたさに」
...無下(むげ)にはこれを斬って伏せることも難かしそうに見えた...
吉川英治 「剣難女難」
...敵も無下(むげ)に襲(よ)せてはまいるまい...
吉川英治 「私本太平記」
...ただその無下(むげ)な意志だけを拒(こば)みぬいているのである...
吉川英治 「新書太閤記」
...無下(むげ)に、策を為せば、事を破る因(もと)になるし……』『――で、実はの』善兵衛は、身をかがめて、煙管(きせる)の首を、二階へ向けた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...それまでの心を無下に叱って追い返すこともない...
吉川英治 「平の将門」
...家の壊れたのを見て「少納言無下ニコソ成ニケレ」と言うと...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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