...無下(むげ)におことわりもできなくなって了(しま)ったのでございます...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...それとも糸子に云い寄って無下に斥(しりぞ)けられたそのせいであろうか...
海野十三 「蠅男」
...無下に棄(す)てたものでもなさそうなその絵を幾度となく眺め返していた...
徳田秋声 「仮装人物」
...無下に国防予算の膨大さに反対する口実を見出すことは出来ぬ...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...仏頂寺も無下(むげ)に立帰るわけにもゆかないでいる...
中里介山 「大菩薩峠」
...いたずらとしても無下(むげ)...
中里介山 「大菩薩峠」
...兵馬も無下(むげ)に振り払う気持にはなれませんでした...
中里介山 「大菩薩峠」
...無下(むげ)には断われなかった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...無下(むげ)に失望を味わわされることもなく...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...こんなお節介をしたって無下に腹も立てるまい...
久生十蘭 「魔都」
...景物・人情などに就いても細君が故郷である東京のことばかりに重気を置いて無下に彼の田舎を軽く云ふと気嫌が悪かつた...
牧野信一 「鶴がゐた家」
...ここへ引越の時貴嬢(あなた)のお家から分けて下すった醤油がモーなくなりかけましたから一樽買おうと思いますが醤油はどういうのが良いのですか」と用事を問われてお登和も無下(むげ)に去り難(がた)く...
村井弦斎 「食道楽」
...十三から育ったあんたの恩は無下(むげ)にしない...
室生犀星 「舌を噛み切った女」
...どのように無下(むげ)にいっても二人の若者はそれに応(こた)えることなく...
室生犀星 「姫たちばな」
...3815(無下事不二報復一...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...無下(むげ)な強襲も抑(おさ)えていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...ただその無下(むげ)な意志だけを拒(こば)みぬいているのである...
吉川英治 「新書太閤記」
...無下(むげ)に斬って行った...
吉川英治 「宮本武蔵」
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