...それとも糸子に云い寄って無下に斥(しりぞ)けられたそのせいであろうか...
海野十三 「蠅男」
...無下(むげ)に退ける訳にも行かなかった...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...同役の森岡丹後の子を無下にしりぞける事は出来なかった...
太宰治 「新釈諸国噺」
...とにかく友の好意を無下(むげ)にしりぞけて怒られてもつまらないから...
太宰治 「惜別」
...そう云われたらそれを無下(むげ)に断るのも人情に欠けているような気がする...
谷崎潤一郎 「細雪」
...文学的表象と雖も無下に空想的なものではなかったので...
戸坂潤 「思想としての文学」
...ここへ無下(むげ)に打捨(うっちゃ)らかしてしまうのも冥利(みょうり)である...
中里介山 「大菩薩峠」
...仏頂寺も無下(むげ)に立帰るわけにもゆかないでいる...
中里介山 「大菩薩峠」
...無下(むげ)のことである...
中里介山 「法然行伝」
...私は私の涙を無下に排セキする気になれなかつた...
中原中也 「その頃の生活」
...無下(むげ)には断われなかった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...汗臭(あせくさ)く無下(むげ)に汚(よご)れたる浴衣(ゆかた)を着して...
福田英子 「妾の半生涯」
...そんな私の云ふことを無下に稚戯にして享け容れない風だつた...
牧野信一 「毒気」
...3815(無下事不二報復一...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...無下(むげ)にも追えません...
吉川英治 「私本太平記」
...何も無下(むげ)に仲間入りをお断りするわけじゃない...
吉川英治 「新・水滸伝」
...無下(むげ)に好まぬ先へ嫁(とつ)がせても」「嫁(ゆ)けば...
吉川英治 「源頼朝」
...無下(むげ)に斬って行った...
吉川英治 「宮本武蔵」
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