...利仁や有仁の厚意を無にするのも...
芥川龍之介 「芋粥」
...勇み立つてゐる子供達の好意を無にする氣にもなれなかつたのでそれに乘つた...
高濱虚子 「横山」
...親切を無にするのも心苦しい...
太宰治 「失敗園」
...民子は折角の母の心遺ひを無にするやうなことがあつてはならないと思ひ...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...親切を無にすると云わんばかり爺さんむっとして帰って往ったこともある...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...私は人の親切を無にする背徳者だということになった...
豊島与志雄 「失策記」
...時折遠国(えんごく)の見知らぬ人よりこまごまと我が拙(つたな)き著作の面白き節々(ふしぶし)書きこさるるに逢ひてもこれまたそのままに打過して厚き志(こころざし)を無にすること度々(たびたび)なり...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...最初のうちはせっかくの希望を無にするのも気の毒だという考から...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...だんだん多くの人の依頼を無にするような傾向が強くなって来た...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...自分の注意を無にする細君を見ると...
夏目漱石 「道草」
...先方がその注意を無にする以上は...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...ポチの此志を無にする事が出来た話だか...
二葉亭四迷 「平凡」
...折角の志(こころざし)を無にするも何だから...
二葉亭四迷 「平凡」
...よく考えて正義のはしくれを無にするようなことはしないでください」「ええ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...今までの恩を無にするわけと...
三宅花圃 「藪の鶯」
...総てを無にする奇怪な道場が丹波の山奥の修験場のように...
横光利一 「欧洲紀行」
...無にする物の見方は...
横光利一 「欧洲紀行」
...そうした自分を無にする気もちは...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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