...『又拠ろ無き用事か...
石井研堂 「元日の釣」
...殆んど一顧の値だに無き極々(ごくごく)些末の一事件であるのかも知れない...
石川啄木 「葬列」
...助くる術(すべ)は無きことか...
泉鏡花 「活人形」
...憲兵の活動は無きに等しい...
梅崎春生 「日の果て」
...廣瀬川都の塵を逃れ來て今わが歸る故郷の夕凉しき廣瀬川野薔薇の薫り消え失せて昨日の春は跡も無き岸に無言の身はひとり...
土井晩翠 「天地有情」
...関良輔は、人々が、十分に集ったのを見ると「白沢の関より届にも及ばずして、参覲交代の道を変更したる段につき、上より咎めあるべきはずを、沙汰の無き、これ一つ...
直木三十五 「三人の相馬大作」
...今日の社会もし花柳界なるもの無きに至らば旧弊の風習道徳凡て改まり世態人情亦一変すべし...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...そんな時にはみ前にありては全く己を無き者と思うのほか別になすべきところなきなりと...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...ほんとに有るか無きかのささやかな希望のひっかかりを与えたのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...名無き者は?俳優の魂が身体を抜出し...
中島敦 「光と風と夢」
...本來無きものがあとより附加はつたのであつて...
波多野精一 「時と永遠」
...雇ひつけの車宿とて無き家なれば路(みち)ゆく車を窓から呼んで...
樋口一葉 「十三夜」
...百千年來絶て無きものが...
福沢諭吉 「帝室論」
...ようやく事無きをえた...
牧逸馬 「運命のSOS」
...○夢にては立ちて歩くこと病無き昔の如し...
正岡子規 「病牀瑣事」
...「歴史無き」如何なる民族も存しない...
三木清 「歴史哲學」
...さればわれ將(は)たいかにしてかその無きものを見出し得べき...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...無きには優る...
吉川英治 「上杉謙信」
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