...梅の鉢(はち)を火に焙(あぶ)りしが...
石川啄木 「悲しき玩具」
...補布(つぎ)だらけな莫大小(メリヤス)の股引の脛を火鉢に焙(あぶ)りながら...
石川啄木 「道」
...私達は火焙(ひあぶ)りになるのですか...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...「なんや?」と思うとそれは母が焙炉(ほいろ)の茶をかえしている音でした...
上村松園 「わが母を語る」
...焙爐を兼次に任せて骨休めながら一寸行つて來ようと思つたのであつたが兼次がいきなり「ツアヽおれ藥貰ひに行つて來べえ」とやつたのでそれでも自分が行くとはいはれぬので澁々と兼次を出してやつた...
長塚節 「芋掘り」
...かんかんいう炭火の上で鼓の皮を焙(あぶ)り始めた...
夏目漱石 「永日小品」
...頭の中は焙炉(ほいろ)の如く火照(ほて)っていた...
夏目漱石 「それから」
...手焙(てあぶり)の前に翳(かざ)した手紙を敬太郎(けいたろう)に読んで聞かせた...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...磔刑(はりつけ)か火焙(ひあぶ)りは免(まぬか)れぬところでしょう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...手焙(てあぶ)りが冬は各自(めいめい)についている...
長谷川時雨 「源泉小学校」
...この因業家主は店子を「焙り出す」心算でゐるのだ...
葉山嘉樹 「井戸の底に埃の溜つた話」
...一帯の岩島が日輪に焙(あぶ)りつけられて火煙(ひけむり)をあげるほどに熱し...
久生十蘭 「藤九郎の島」
...火で焙(あぶ)って...
火野葦平 「花と龍」
...土瓶とか焙烙(ほうろく)とか土鍋とか蛸壺(たこつぼ)とかを作ります...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...味付けしながら気ながに焙った鹿の肉ほど...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...すこし焙(あた)らせておくんなさい...
吉川英治 「新・水滸伝」
...陶器の手焙(てあぶ)りのことを...
吉川英治 「随筆 新平家」
...そんな物を火に焙(あぶ)って喰べていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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