...自慢の番茶の焙(ほう)じ加減で...
泉鏡花 「婦系図」
...燭臺も手焙も古い朱塗である...
長塚節 「菜の花」
...手焙(てあぶり)の胴に当てた手を動かしながら...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...磔も火焙りも怖いことは御座いません...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...「焙(あぶ)ってみたり...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...焙られるような苦熱からは解放されたが...
葉山嘉樹 「乳色の靄」
...上下から焙りゃこそ...
葉山嘉樹 「労働者の居ない船」
...一帯の岩島が日輪に焙(あぶ)りつけられて火煙(ひけむり)をあげるほどに熱し...
久生十蘭 「藤九郎の島」
...亡者を焙る悪魔に...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...焙火箸(やけひばし)でも...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...箸で返しながら焙(あぶ)った...
宮本百合子 「一太と母」
...それで雲焼(くもや)きとも雲焙(くもあぶ)りともいう地方もあるのだが...
柳田国男 「母の手毬歌」
...焙(あぶ)り直した鮎に煎鳥(いりどり)...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...……帝国ホテルが真赤な血の色に染まって行く……飛行船も大火焔を噴き出して独楽(こま)のようにキリキリと廻転し初める……それを日比谷の大通りから米国の軍楽隊が囃(はや)し立てる……数万の見物が豆を焙(い)るように拍手喝采する……それを警視の正装した私が馬に乗って見廻りながら...
夢野久作 「暗黒公使」
...服を脱ぐのも面倒でひとり火鉢に手を焙(あぶ)っていると...
横光利一 「夜の靴」
...焙菓子(クレエプ)やを食卓へ持ち出した...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...死んだ小鳥の毛をむしって焙(あぶ)っておいたが...
吉川英治 「宮本武蔵」
...焙(あぶ)り出しのように思いうかべた...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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