...唯モウ手の甲をひつくり返しおつくり返し火に焙(あぶ)つて...
石川啄木 「菊池君」
...腦天を焙(い)りつける太陽が宛然(まるで)火の樣で...
石川啄木 「二筋の血」
...火焙(ひあぶ)りの刑を処すると...
橘外男 「棚田裁判長の怪死」
...親爺は毎日蒸し暑い焙爐の前で働いたので幾分ならずもう體が疲れて居る...
長塚節 「芋掘り」
...親爺は焙爐の茶が焦げつくので何處までも追ひつめる譯には行かなかつた...
長塚節 「芋掘り」
...「さうだな衣物(きもの)は焙(あぶ)る間(えゝだ)仕(し)やうねえなそんぢや褞袍(どてら)でも俺(お)ら家(ぢ)から持(も)つて來(く)つとえゝな...
長塚節 「土」
...燭臺も手焙も古い朱塗である...
長塚節 「菜の花」
...かんかんいう炭火の上で鼓の皮を焙(あぶ)り始めた...
夏目漱石 「永日小品」
...手焙(てあぶり)の胴に当てた手を動かしながら...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...磔も火焙りも怖いことは御座いません...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...仲吉さんが火焙りになるのを...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...多分切支丹の大先達だつたのだらう」「それぢや」「火焙りになるのを默つて見てゐる方がいゝと言ふのか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そして焙(や)けつくような視線でいつまでも立ち去らず蝋燭の光に照し出された牢獄の有様を眺め入った...
宮本百合子 「刻々」
...磔か火焙りになったということ...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...すこしばかりの賄賂(まひなひ)を吝(を)しみし御蔭にて憐れなる初花太夫は磔刑(はりつけ)か火焙(ひあぶ)りか...
夢野久作 「白くれない」
...服を脱ぐのも面倒でひとり火鉢に手を焙(あぶ)っていると...
横光利一 「夜の靴」
...しばらく部屋が鳴りをひそめ焙(あぶ)る手さきだけ温かい...
横光利一 「夜の靴」
...焙(あぶ)っていた亭主が...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
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