...蝋(らふ)の火は輕き焔(ほのほ)に...
ステファンヌ・マラルメ Stephane Mallarme 上田敏訳 「エロディヤッド」
...家は雷雨(らいう)の中に焔々(えんえん)と燃えあがりました...
海野十三 「科学が臍を曲げた話」
...廊下の火焔が黄金の衣裳を燃立つ血潮の色に染(そめ)なした...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...その身辺の地上で焔(も)えているベトベトした油のかたまりのようなものに蒲団やら...
太宰治 「薄明」
...全身生(いき)不動のように紅蓮(ぐれん)の焔を上げた三人の男女が...
橘外男 「生不動」
...或は焔にまかれて忽ちに死に...
田中貢太郎 「日本天変地異記」
...ブンゼン燈のバリバリと音を立てて吹き付ける焔の輻射(ふくしゃ)をワイシャツの胸に受けながらフラスコの口から滴下する綺麗な宝石のような油滴を眺めているのは少しも暑いものではなかった...
寺田寅彦 「夏」
... 375全部ひとしく猛焔の力に亡び去らんとも...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...強い愛の焔が時々閃いたけれど...
豊島与志雄 「反抗」
...取捉まって引き出されるまで道庵は気焔(きえん)を揚げていましたけれど...
中里介山 「大菩薩峠」
...その間からカッと焔が舌を出しているのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...空想の焔の糧にする程...
松永延造 「職工と微笑」
...見えない天の川の水もそのときはゆらゆらと青い焔の〔や〕うに波をあげるのでした...
宮沢賢治 「〔「銀河鉄道の夜」初期形一〕」
...観衆は襟を正し吹き靡く焔を見ている内に...
横光利一 「欧洲紀行」
...焔(ほのお)の壁や焔の床に昏絶(こんぜつ)して...
吉川英治 「新書太閤記」
...火焔を見ているように...
吉川英治 「新書太閤記」
...煙を縫い、焔をかすめて、赤々と見える人影に、矢が飛んでくる...
吉川英治 「平の将門」
...その焔の麗(うるわ)しさに恍惚(こうこつ)と心を奪われていたからであろう...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索