...床上が一面の火焔でもって蔽われた...
海野十三 「十八時の音楽浴」
...ごうごうと燃えさかる火焔の音にさまたげられ...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...焔を弱める必要はありません...
豊島与志雄 「変な男」
...天と地が激突したような光焔と音響とが起り...
豊島与志雄 「落雷のあと」
...火炉の中から、だんだん燃え立って行く、赤黒い焔を、じっと、眺めていた牧仲太郎は、手を膝へ置いたままであった...
直木三十五 「南国太平記」
...それが「火焔の巨大な箱」である...
中谷宇吉郎 「霧を消す話」
...久しぶりで先生の気焔(きえん)を聞くことが出来た...
中谷宇吉郎 「指導者としての寺田先生」
...しかしこの焔は、不完全燃焼であるから、光が非常に弱く、やみに馴らした眼に、辛うじて見える程度であった...
中谷宇吉郎 「写真と暮した三十年」
...大火焔(だいくわえん)の洪水が十八尺四方の庵室を包んでドツと吹き入るのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...赤い焔がくるくると舞いながら波の向うへ落ちて行った...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...かれらの心が永く秘められていた火焔(ほのお)の舌のように...
ホーソーン Nathaniel Hawthorne 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...何らの気焔(きえん)ぞ...
正岡子規 「曙覧の歌」
...普通(ふつう)の焚火(たきび)の焔なら橙(だいだい)いろをしている...
宮沢賢治 「学者アラムハラドの見た着物」
...真暗な中にローソクの焔のような一...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...焔(ほのお)の色も見えはじめていた...
山本周五郎 「風流太平記」
...各国へ打つタイプライターの音と大空の上ではじけるオリンピアの焔の音ばかりパチパチとするだけだ...
横光利一 「欧洲紀行」
...火焔の息を吐いてギリギリと鍔で押して行けば...
吉川英治 「剣難女難」
...焔の下に悲鳴をあげて逃げまどっていた...
吉川英治 「三国志」
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