...彼女は寒さに顫(ふる)える手を燃えさかる焔にかざした...
モオパッサン 秋田滋訳 「初雪」
...紙片はぱっと赤い焔と化した...
海野十三 「地獄の使者」
...強い風がその焔を煽って吹きつけていた...
田中貢太郎 「死体の匂い」
...瞋恚(しんい)の焔とでも云うのか...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...ひとりで大気焔(だいきえん)を上げている...
中里介山 「大菩薩峠」
...赤い焔(ほのお)が蛇(へび)の舌のように...
中谷宇吉郎 「おにぎりの味」
...「ほとばしり出る焔につづいて軸木に油が熔けわたり...
中谷宇吉郎 「露伴先生と神仙道」
...また火焔車でもけしかけましょうか」虎吉も...
野村胡堂 「幻術天魔太郎」
...しかし焔の壁は思いのほか薄く...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...焔の離屋に立ち向ひましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お前が凍てついた手で最後のマツチを擦つたとき焔はパツと透明な球体をつくり清らかな優しい死の床が浮び上つた誰かが死にかかつてゐる誰かが死にかかつてゐる と...
原民喜 「死について」
...まつたく君の々たる気焔には寧ろ小生は怖れを覚ゆるのであるが...
牧野信一 「手紙」
...自分の大さにつり合った蝋燭の焔を受けて...
「赤い貨車」
...次は地中から現れる小火焔...
武者金吉 「地震なまず」
...坩堝(るつぼ)を砕いたような余燼(よじん)の焔は...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...後の駕には自身が乗って――焔(ほのお)の空はまだ真(ま)ッ赤(か)だ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...藁束の炬火(たいまつ)で焔の工合いを調節し...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
...私の望みは美と生の焔です...
和辻哲郎 「エレオノラ・デュウゼ」
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