...第二は点景人物を加へた風景画である...
芥川龍之介 「芭蕉雑記」
...彼は川一筋とか積藁とかを見出してそれを唯一の点景物としておりますが...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...点景人物を置かうとすれば...
太宰治 「津軽」
...荒谷の大構図の中での一小点景にすぎない...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...それらはむしろ心を痛ましめる点景である...
中谷宇吉郎 「泥炭地双話」
...爺(じい)さんも婆(ばあ)さんも――ことごとく大自然の点景として描き出されたものと仮定して取こなして見よう...
夏目漱石 「草枕」
...草の実をたくみに点景(てんけい)した...
新美南吉 「花をうめる」
...点景になる海女(あま)のモデル料は...
久生十蘭 「あなたも私も」
...芝生の枯色と対照していい点景になっている...
久生十蘭 「あなたも私も」
...小川とその三個の点景人物と...
牧野信一 「R漁場と都の酒場で」
...「電話」は婉麗な吉原芸者が禍を転じて福とする好短篇で師走の吉原の点景が妙...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...そこに在る点景の白い婦人の姿を中心として一層ひろい海面へのびてゆくリズムは実に変化と諧調に富んでいて...
宮本百合子 「ヴォルフの世界」
...荒漠たる平沙の上に一本の樹木の点景さへ持たぬ灰白色の城...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...奇趣なき平野の点景も様々に目まぐるしく流れ去りましたが...
吉川英治 「江戸三国志」
...一篇の詩となるような点景に出会ったからである...
吉川英治 「三国志」
...が、時代の風潮、点景人物、後醍醐帝の朝覲(ちょうきん)の儀など、おもなることは“増鏡”やその他の史実に拠った...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
...あわれにふる鈴の音(ね)もこのたそがれのわびしい点景...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...亦、一点景である...
吉田絃二郎 「八月の霧島」
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