...点景に赤蜻蛉(あかとんぼ)のあらわるる事もまた相似たり...
泉鏡花 「遺稿」
...彼は川一筋とか積藁とかを見出してそれを唯一の点景物としておりますが...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...「灰汁桶(あくおけ)のしずくやみけりきりぎりす」などはイディルレの好点景であり...
寺田寅彦 「映画時代」
...此欅の中の欅と下枝を払った数本のはら/\松を点景にして...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...つまらないものが点景として残る...
豊島与志雄 「自由人」
...荒谷の大構図の中での一小点景にすぎない...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...その中に所々御弟子達の言動を点景人物の意味で入れておいた...
中谷宇吉郎 「「先生を囲る話」について」
...爺(じい)さんも婆(ばあ)さんも――ことごとく大自然の点景として描き出されたものと仮定して取こなして見よう...
夏目漱石 「草枕」
...観光地の点景モデルといっても...
久生十蘭 「あなたも私も」
...小川とその三個の点景人物と...
牧野信一 「R漁場と都の酒場で」
...歩きながらもう少しで私を風景写真の点景人物に取り入れようとした時...
牧野信一 「環魚洞風景」
...点景として蝉を添へたのだ...
牧野信一 「蝉」
...凡そ見失ふことのない点景人物の名前が藤田五郎といふ自称の「馬賊」といふことを私は...
牧野信一 「日本橋」
...そこに在る点景の白い婦人の姿を中心として一層ひろい海面へのびてゆくリズムは実に変化と諧調に富んでいて...
宮本百合子 「ヴォルフの世界」
......
山之口貘 「鮪に鰯」
...荒漠たる平沙の上に一本の樹木の点景さへ持たぬ灰白色の城...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...画面点景(がめんてんけい)の寸馬豆人(すんばとうじん)そのまま...
吉川英治 「神州天馬侠」
...が、時代の風潮、点景人物、後醍醐帝の朝覲(ちょうきん)の儀など、おもなることは“増鏡”やその他の史実に拠った...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
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