...点景に赤蜻蛉(あかとんぼ)のあらわるる事もまた相似たり...
泉鏡花 「遺稿」
...点景人物の存在もゆるさない...
太宰治 「津軽」
...点景人物を置かうとすれば...
太宰治 「津軽」
...あの地方に特有な点景...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...それでたとえば軽い意味の助演者としてのスパークスなどという役者でも決してただのむだな点景人物ではなくて...
寺田寅彦 「映画雑感(4[#「4」はローマ数字、1-13-24])」
...「灰汁桶(あくおけ)のしずくやみけりきりぎりす」などはイディルレの好点景であり...
寺田寅彦 「映画時代」
...夏目先生にその話をしたら早速その当時書いていた小説の中の点景材料に使われた...
寺田寅彦 「喫煙四十年」
...荒谷の大構図の中での一小点景にすぎない...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...その中に所々御弟子達の言動を点景人物の意味で入れておいた...
中谷宇吉郎 「「先生を囲る話」について」
...それらはむしろ心を痛ましめる点景である...
中谷宇吉郎 「泥炭地双話」
...観光地の点景モデルは...
久生十蘭 「あなたも私も」
...観光地の点景モデルといっても...
久生十蘭 「あなたも私も」
...自分が今この風景の中の点景人物であるといふことさへ忘れ果てたかのやうな靉靆たる鬼方の保護区(リザーブ)で酔ひ痴れてゐた...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...砂地に置き棄てられた漁船などが程よい点景となつて見渡された...
牧野信一 「清一の写生旅行」
...点景として蝉を添へたのだ...
牧野信一 「蝉」
...あたりの静かな風景の適当な点景となつて...
牧野信一 「晩春の健康」
...「電話」は婉麗な吉原芸者が禍を転じて福とする好短篇で師走の吉原の点景が妙...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...一篇の詩となるような点景に出会ったからである...
吉川英治 「三国志」
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