...第二は点景人物を加へた風景画である...
芥川龍之介 「芭蕉雑記」
...点景に赤蜻蛉(あかとんぼ)のあらわるる事もまた相似たり...
泉鏡花 「遺稿」
...私は私を肯定する・枯木へ糸瓜の蔓をみちびく・萱もみな穂に出て何か待つてゐるようなゆふ風・かういふ世の中の広告気球を見あげては通る・実つて垂れて枯れてくる・いちめんの夏草をふむその点景の私として・待つでもなく待たぬでもなく青葉照つたり曇つたり六月十一日梅雨日和...
種田山頭火 「其中日記」
...夏目先生にその話をしたら早速その当時書いていた小説の中の点景材料に使われた...
寺田寅彦 「喫煙四十年」
...その中に所々御弟子達の言動を点景人物の意味で入れておいた...
中谷宇吉郎 「「先生を囲る話」について」
...爺(じい)さんも婆(ばあ)さんも――ことごとく大自然の点景として描き出されたものと仮定して取こなして見よう...
夏目漱石 「草枕」
...草の実をたくみに点景(てんけい)した...
新美南吉 「花をうめる」
...観光地の点景モデルは...
久生十蘭 「あなたも私も」
...観光地の点景モデルには...
久生十蘭 「あなたも私も」
...小川とその三個の点景人物と...
牧野信一 「R漁場と都の酒場で」
...凡そ見失ふことのない点景人物の名前が藤田五郎といふ自称の「馬賊」といふことを私は...
牧野信一 「日本橋」
...「電話」は婉麗な吉原芸者が禍を転じて福とする好短篇で師走の吉原の点景が妙...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...芳虎あたりの横浜紅毛館洋妾の図の点景には...
正岡容 「下町歳事記」
...そこに在る点景の白い婦人の姿を中心として一層ひろい海面へのびてゆくリズムは実に変化と諧調に富んでいて...
宮本百合子 「ヴォルフの世界」
......
山之口貘 「鮪に鰯」
...またこの郷土特有の点景でもありました...
吉川英治 「江戸三国志」
...一篇の詩となるような点景に出会ったからである...
吉川英治 「三国志」
...傍系や点景的な人物は...
吉川英治 「随筆 新平家」
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