...豆炒りを肴に白酒を飲み始めた...
谷崎潤一郎 「少年」
...白酒と豆炒とは変に塩からい味がした...
谷崎潤一郎 「少年」
...それよりもそれを炒ってくれた宿の人々の顔やまたそれに付きまとうた淡いロマンスなどもかなりにはっきりと思い出された...
寺田寅彦 「球根」
...大暑(たいしよ)の日(ひ)が井戸(ゐど)の水(みづ)まで減(へ)らして炒(い)りつける頃(ころ)はそれまでに幾度(いくたび)か勘次(かんじ)の穀桶(こくをけ)は空(から)に成(な)るのである...
長塚節 「土」
...假令(たとひ)油蝉(あぶらぜみ)が炒(い)りつけるやうに其處(そこ)らの木(き)毎(ごと)にしがみ附(つ)いて聲(こゑ)を限(かぎ)りに鳴(な)いたにした處(ところ)で...
長塚節 「土」
...」「多くの食品店でコーヒーの中に、炒った豆、犬ビスケット、チコリー、革鞣し剤を混ぜている不正で邪悪な現在の遣り方にたいして、友達や公衆にたいして注意させるのが我々の義務であると考えている...
アーサー・ヒル・ハッサル Arthur Hill Hassall, M.D. 水上茂樹訳 「食品とその混ぜ物処理」
...さっそく仕度にとりかかり、食糧として小麦粉、炒粟、乾葡萄、塩、唐辛子粉、榧の油、木椀に木匙、羊の長毛を内側にして縫いあわせたツクツク(寝袋)、燧(ひうち)道具、薬品といった類のものを、八貫目ばかり荷にしてテンバという山案内に背負わせ、地図と磁石を靴のなかに隠し、カンプゥタンを出発したのは、明治卅三年の六月十二日のことであった...
久生十蘭 「新西遊記」
...新宿中村屋でボルシチと炒飯を食べ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...あるいは焙烙(ほうらく)で炒って置くときは...
牧野富太郎 「植物記」
...薬味の中で是非(ぜひ)要(い)るものは先刻(さっき)申した甘漬のチャツネーと西洋の酢漬のピックルとココナツを炒(い)ったものと...
村井弦斎 「食道楽」
...白胡麻ならば炮烙(ほうろく)で炒(い)って擂鉢で摺ってその中へ今取っておいた油揚の白味を入れてまた摺ります...
村井弦斎 「食道楽」
...別に黒胡麻を炒(い)って擂鉢(すりばち)でよく摺(す)って味淋と醤油でドロドロに弛(ゆる)めたものの中へ鯛の身を入れて炊きたての御飯へかけて茶椀の蓋(ふた)をして出します...
村井弦斎 「食道楽」
...第十三 メンチトースコロッケーは前の通り炒った肉をドロドロのソースで煮て少し固くなった処へ玉子の黄身を混ぜて冷ましておいてトースパンへ蒲鉾形(かまぼこがた)に塗りつけて玉子の白身へ浸してパン粉をつけてバターで揚げます...
村井弦斎 「食道楽」
...古いパン半斤の中身を手で揉(も)み砕いて先ずフライ鍋へバターを溶かして玉葱の刻んだのをいためてその上へパンを入れて塩胡椒を振って狐色に炒(い)りつけます...
村井弦斎 「食道楽」
...その色付油の中へ豚の皮ばかり小さく切って炒(い)り付けて火から卸(おろ)して冷却してからその皮を出してしまう...
村井弦斎 「食道楽」
...江戸で関のおば様に豆炒りを上げるようになった頃から...
柳田國男 「日本の伝説」
...豆と米粒と霰餅(あられもち)とを併せて炒ったのを食うのが是に近く...
柳田国男 「木綿以前の事」
...炒粉を山畠に働いて居る父の処へ持って行く児が...
柳田國男 「夢と文芸」
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